「鱗粉」って、「粉」じゃないって知ってた? ぼくは知らなかった…。
だって、「粉」だよと教えてくれる国語辞典もあるもの。たとえば『三省堂国語辞典』。
りんぷん【鱗粉】
チョウやガのはねについている、うろこのような形をしたこな。
「粉」だって言ってるじゃんね。
でもどうやら「粉」じゃないらしいんだな。
『広辞苑』をみてみた。
りんぷん【鱗粉】
チョウ・ガの翅などにある微小な鱗状の付属物。毛が変化したものとされる。
ね。「粉」って書いてないでしょ。「名前に粉って字が含まれていて、あたりまえだから書いてないだけだよ」という人もいるはず。
でも違うんだな〜。『日本国語大辞典』をみる。
りん‐ぷん 【鱗粉】
昆虫類チョウ(鱗翅)目のはねの表面を覆う毛状・葉状の扁平物。表皮細胞から分泌されたキチン質からなり、色素顆粒が沈積し、はねの表面の固有の紋様を形成する。粉状に見えるところからいう。鱗片。
「粉」じゃなくて、「粉状に見える」だけなんだよ、と強調している。
『新明解』も「粉じゃないよ」を強調している。
りんぷん【鱗粉】
チョウ・ガの羽の全面を覆っている薄くて平たい小片。〔肉眼では粉状に見える〕。
ね。「そう見えるかもしれないけど、違うんだよ」と言ってるね。
「粉に見えるものと、粉の違いはなんだろうか」とか、もしかしたら深遠な悩みの淵に沈みそうになったりもする。でもまあ。ぼくは明日から「鱗粉は粉じゃないんだぜ」と言って過ごすことにしよう。
「え、そうなの?」と話が弾むかもしれないじゃんね。「どうでもいい」と言われておしまいかもしれないけどさ。
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