気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

くわばら、くわばら。


くわばら、くわばら」って言い回し。知ったのは小学生の頃だったかな。使ったこともある。だけど「なぜくわばらなのか」を知らずに生きてきたなあ…。

日本国語大辞典』も「別に難しい意味はないんじゃね?」の立場だ。

くわ‐ばら[くは‥] 【桑原】
【一】〔名〕

桑の木を植えた広い畑。
【二】〔感動〕
(1)落雷を防ぐという呪文(じゅもん)。多くは「くわばら、くわばら」と重ねていう。
(2)いやな事を避けようとする時にとなえる呪文。

一応、語誌欄に説明はあるんだけど、本文ではあたかも「そういうもんだよ」風の書き方だ。 

三省堂国語辞典』も同じような感じだな。

くわばら【桑原】
(1)雷がおちないようにとなえるまじない。
(2)いやなことを避けようとするときに言うことば。

「まじない」なんだから、「なぜそういうんだとか、追求してもしょうがないよ」的立場なんだろう。

ぼくもこれまでこの立場で「そういうもの」と思っていた。だけどちゃんと理由があるみたいだね。

 小型辞書ながら『新明解』は語源を記していた。

くわばら【桑原】
〔雷は桑原には落ちないという言い伝えから〕落雷など、忌むべき事を避けるために唱えるまじないの言葉。

へー。雷は桑原には落ちないのか。

広辞苑』はさらにこまかく説明してくれている。

くわばら【桑原】
(1)桑の樹を植え付けた畑。桑田。
(2)雷鳴の時、落雷を避ける呪文として用いる語。また、一般に忌まわしいことを避けるためにも言う。雷神があやまって農家の井戸に落ちた時、農夫は蓋をして天に帰らせなかった。雷神は、自分は桑樹を嫌うから、桑原桑原と唱えるならば再び落ちまいと答えたとの伝説に基づくという。また、死して雷となったと伝える菅公の領地桑原には古来落雷した例がないのに因むともいう。

わはは。まんが日本昔ばなし風に詳細な説明だ。こんな詳細な物語風解説をあまり見た記憶がないけれど、他にもあるんだろうな、きっと。ご存知の方はぜひ教えてくださいませ。

言葉の意味を調べるだけで、面白いお話を伺いました(^^)。

 


雷落ちまくり 激しい雷雨 2013年8月12日 東京・神奈川  Thunderbolt Tokyo Japan

 

桑の葉エキス 30日分

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