気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「たわしの日」だそうだが、「たわし」ってなんだ?

「たわしの日」なのだそうだ。

株式会社亀の子束子西尾商店」が亀の子たわしの特許を取得した日なので、たわしの日であるとしているらしい。

亀の子タワシ 1号

亀の子タワシ 1号

 

ところで「たわし」ってのはいったい何なんだろう。 どうやらその語源などはっきりしていない様子。『日本国語大辞典』を見る。

たわし[たはし] 【束子】
〔名〕
(歴史的かなづかいは、通常「たはし」とするが、確かな根拠はない。「たわし」とする説もある)わらや棕櫚(しゅろ)の毛などを束ねて作り、器物をこすって洗いみがく道具。
語源説
(1)タバネタモノ(束)の意か〔大言海〕。
(2)持ち手藁の約か〔方言覚書=柳田国男〕。

語源どころか、仮名遣いもはっきりしない。 

ところで「わらや棕櫚の毛」という素材がきにならないだろうか。最近は別の素材なんだろうと思い、他の辞書も見てみた。たとえば『広辞苑』はどうだろう。

たわし【束子】 タハシ
わら・棕梠(しゅろ)の毛などをたばねて造り、器物をこすり洗う道具。「—でこする」

やけにシンプルな語釈ながら、素材は「わら・棕梠」だな(ちなみにシュロは「棕櫚」「棕梠」「椶櫚」などと表記するようだ)。現代でも素材は同じなのだろうか。

そう思ってAmazonで検索し、素材を見てみると確かに「棕梠」や「パーム」などが用いられているようだ。てっきり何か化学的な素材が用いられると思ったけれど、自然素材が代替しがたく優れているということなんだろうか。 

意外に不思議で、ちょっと奥の深い存在だな。ちなみに我が家では、食器のスポンジ洗いの前にたわしで下洗いするのを常としている。

パームたわし 2個入 No.50322

パームたわし 2個入 No.50322