『広辞苑』を眺めていて驚いた。「年寄りの冷水」の項目だ。
年寄りの冷水(ひやみず)
(体の衰えた老人が生水を飲むことから)老人に不似合な危ういことをするたとえ。また、老人が差し出たふるまいをすることにいう。
「冷水」とは「生水を飲む」ことなのか?! もしかすると『広辞苑』は水道局に喧嘩を売っているのか?
参考までに『広辞苑』で「生水」もみておく。
なまみず【生水】
(飲み水で)沸かしていない水。「―は飲まないように」
ふ〜む。こちらの用例でも水道水を飲むなと言っている。
「年寄りの冷水」とは、年寄りが冷水を浴びることを言うのではなかったか。たとえば『日本国語大辞典』を見る。
(老人が冷水を浴びることの意)
老人に似合わない元気のよいふるまいや、高齢に不相応な危いことをするのを、ひやかしたり警告をしたりするときにいう。年寄の夜道。
やはりそうだ。こちらの説が「普通」なのだと思っていたなあ。
ただ、他の辞書でも「無理をすること」とか「不必要なことをすること」と記述して「冷水」の具体的内容を記さないものも多いようだ。
どれが「正しい」解釈なのか、よくわからない。ここはひとつ、水道局に『広辞苑』を訴えて頂いて、事の真偽を明らかにしていただきたいところだ。