「生食」は「せいしょく」と読むのだそうだ。
恥ずかしながら「なましょく」だと思ってた。対義語は「かしょく」なんだそうだ via 新明解 #辞書 #国語辞典 pic.twitter.com/PTT4XJg3HI
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「なましょく」ではないと言われても、では「しょうしょく」かななどと考え、自力で「せいしょく」という正解にたどり着くことはなさそうだ。
実はこの「生食」を辞書で引いてみようと思ったのは「トマト」がきっかけだ。
「生で食べるほか」というので、焼いたりフライにしたりするのかと思えば「ケチャップにもする」。はずされた気分だが、多くの辞書がそのように記している via 新明解 #国語辞典 #辞書 #食べ物 pic.twitter.com/76Q2rjTlVp
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※ トマトの数え方に「1個、2個」は不適切なのだろうか
「生で食べるほか」とくれば、普通は「焼いて食べることもある」なんて言葉が繋がるんじゃないのか。しかし多くの辞書で、上の『新明解』と同じような説明になっている。
たとえば『広辞苑』。全文を引いておく。
トマト【tomato】
(tomate スペイン)ナス科の一年生果菜。原産地は南アメリカのアンデス高地。18世紀頃に渡来。栽培は明治初期の導入から広がる。世界各地に栽培される野菜。ファースト‐トマト・チェリー‐トマトなど品種が多い。果実は扁球形、赤熟または黄熟、栄養に富み、生食、または、ジュース・ソース・ケチャップなどに製する。蕃茄。古名、あかなす・さんごじゅなす。
こちらでも「生食」に対応する部分は「ジュース、ソース、ケチャップ」などに加工することだとなっている。
そうした説明を見て、それならば「生食」の対義語は「加工する」だとか「材料として用いる」という意味なのかと思ったのだ。
最初に掲載した『新明解』からの写真にもあるように、「生食」の反対語は「火食」(かしょく)だ。これも『新明解』で確認してみた。
「生食」の反対語は「火食」。そんな言葉、知らずに生きてきた #辞書 #国語辞典 #食べ物 pic.twitter.com/usM4QKbTVT
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見ておわかりのように「調理する」というような意味はない。『広辞苑』もあっさりと定義する。
か‐しょく【火食】
物を煮たきして食べること。
すなわち「生食」⇔「火食」(ここで矢印は対義語関係を示すものとする)という関係の中でとらえれば、辞書にある「生食のほか、ジュースなどにもする」という定義に違和感を感じるのは正しいことであるように思える。
但し、きっと料理用語あるいは常識として、「生食」⇔「加工食」というような言葉関係もあるのだろう。悲しいことに料理知識や、そして常識にも欠けるところがあるので、その辺りは想像しかできない。
「生食」の読み方、「生食」の対義語としての「火食」という言葉の存在、それからトマトの数え方。やけに勉強した気分で、まあ満足だ。