「隧道」という言葉がある。たとえば下の写真には「笹子隧道」と書かれている。笹子トンネルを潜らずに、峠に登っていくと出会うことができる。
結局のところ、「隧道」とはトンネルのことだ。
と、思っていた。しかし広辞苑の定義はちょっと異なる。
1.墓の中に斜めに掘り下げた通路。はかみち。2.山腹や地中をうがって通した道。あなみち。トンネル。
『広辞苑』は信頼できるか―国語辞典100項目チェックランキング
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2つめの語釈は良い。普通だ。ただ、1番目がなかなか刺激的。最後の「はかみち」ってのも、まあ墓に続く道なんだろうけど、そんな言葉を聞いたことがない。広辞苑にも「はかみち」なんて項目はない。
どうやら「羨」の訓読みらしいけれど、項目に立ってない言葉で説明されてもな^^。
でも『大辞泉』第二版も同じようなことを言ってる。
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棺を埋めるために、地中を掘り下げて墓穴へ通じる道。はかみち。
但しこれは語釈の2番目で、1番目は「トンネル」だ。『岩波国語辞典』第七版・新版では「→トンネル」と、とても潔い。
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ところで『学研新漢和大字典』などで「羨」の字を調べてみたけれど、どうしてこの字を使って墓関連の意味を持つのか、ちょっとわからなかった。
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