気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「迫撃砲」をめぐるあれこれ

ちょっと前に「迫撃砲」って言葉がニュースに何度も登場していた。自衛隊が演習で迫撃砲を打ったところ、演習地の外に着弾したという話。


自衛隊の迫撃砲が誤着弾 入力ミスが原因か(18/11/14)

まあそんなことはあるんだろう。それはともかく。「迫撃砲」ってなんだっけ?

何も知らなかったし、さらに辞書を引いて、自分がもっていたイメージと違ったので驚いた。

たとえば『三省堂国語辞典』には次のように定義されている。

はくげきほう【迫撃砲
砲身が短くて軽い大砲。近距離の敵を撃つ。

なるほど、そういう武器なのかと納得はした。しかし自分のもっていたイメージとは違いすぎる^^。「迫撃砲」の「迫」は「急迫不正」の「迫」だ。なんだか「迫力」をもっていそうな気がするじゃないか。

しかし「迫撃砲」は「短くて軽い」存在なのだ。

「相手に迫る」武器ではなくて、相手に「迫ってから使う」武器んだな。

さらに! 「迫撃砲」を英語でなんと言うのかをチェックしてさらに驚いた。

なんと「迫撃砲」は、英語で「モルタル」というんだ。モルタルってのはもちろん「セメントと砂を混ぜ、水で練り合わせたセメントモルタル」(via 『日本国語大辞典』)だ。

なんか他の言語から入ってたまたま「モルタル」と「迫撃砲」が同じ単語になったのかななんて思ったんだけど、そうでもないらしい。モルタルのおおもとの意味は「乳鉢」。

迫撃砲は「乳鉢」のような穴をあける武器で、「モルタル」は、乳鉢で混ぜるようにぐちゃぐちゃまぜたものだから言うようになったらしい。不思議なところでつながっているものだな。

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勉強になったよ、ママ(^^)。