気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

数のお勉強をしてみる。

数学の話を国語辞典で引くと、まずたいていは笑ってしまうとしても、思わぬ発見があったりもして面白い。

 

Newton (ニュートン) 2008年 12月号 [雑誌]

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たとえば「虚数」なんてものを引いても、混乱だけ感じることも多いのではないか。

なるほどなあと、いろいろと「数字」の話を見てみようと思い立った。最初は「自然数」かな。基本的に『広辞苑』第六版で見ていこう。

1から始まり、1につぎつぎと1を加えて得られる数の総称。集合論等では0を自然数に含めることもある。

なるほど。「正の整数」であるとしている辞書もある。「整数」を見てみる。

1から始まり、次々に1を加えて得られる数(自然数、正の整数)、およびこれらに-1を乗じて得られる負の数(負の整数)および0の総称。負の整数および0はインドに起源がある。

驚いた!「次々に1を加えて得られる数」まで読んで、「マイナスはどうすんだよ」と思った。すると「およびこれらに-1を乗じて」などと言う。

零の発見―数学の生い立ち (岩波新書)

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面白いことを言うなあと思ったけれど、他の辞書でも「0と自然数、およびそれに対応する負数」などという定義が一般的なようだ。

ところで「負数」は、いずれの辞書も「零より小さい数」などとなっているだけで面白みはない。

小数」はどうだろう。 

整数でない実数を十進法で表したもの。0.2のように整数部分が0である小数を純小数、1.75のように整数部分が0でない小数を帯小数という。ヨーロッパでは15世紀に入って初めて小数の概念が現れた。東洋では極めて古くから小数が考えられており、0.1に分、0.01に厘などという名をつけている。

「十進法」で表していないといけないのかな。そもそもの定義が十進法システムに基いて行われたものだという意味なんだろう。英語も小数点はdecimal pointだ。

ついでに「無限小数」。

小数点以下に0から9までの数が無限に多く並んだ小数。ただし、あるところから0だけが並ぶときは有限小数とみる。たとえば循環小数。また無理数は循環しない無限小数で表される。

小数を習うのは小学校4年くらい。そのときに小数点より下の最後の桁に0があり、それを消さないとえらく叱られたりする。でも有効数字なんかで0を記述したりするよな。また、上の定義でも「0だけが並ぶときは」なんて書いてある。

基本を教えるんで「0を消せ」というのは、まあ正しいスタンスではあろうけれど、後に思い出して「当時の教師をぶちのめす!」なんて考えちゃう子もいるかもしれない。

ところで上の定義中に「無理数」なんて言葉が出てきているな。『広辞苑』の無理数の定義は寂しい。「有理数でない実数」。

きっと「有理数」について詳細な定義があるのだろうと、わくわくしながら引いてみる。

二つの整数a、bによってa/bの形で表される数。

う~む。要するに分数で表すことのできる数字ってことだ。 正しいんだけど、少々期待はずれだな。

『新明解』第七版ががなかなか丁寧なので引いてみよう。「有理数」。

〔「整数のratio(=比)で書ける数」の意のrational numberを不適切に訳した語〕〔数学で〕分母が自然数、分子が整数であるような分数として表せる数

ま、いずれも「有理数」「無理数」についての知識がないと、辞書を見ても全くわからないかもしれない。

あとは「素数」かな。

(prime number)1およびその数自身のほかに約数をもたない正の整数。

まあ当たり前の定義。 ところで「素数」の反対語が「合成数」であるとも言われるわけだけど、始めてそれを知ったときはすごく感動してしまったな。

素数入門―計算しながら理解できる (ブルーバックス)

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そういえばずいぶん前にも数学系の話を書いていた:国語辞典の「微分」や「積分」

大学入試問題で語る数論の世界―素数、完全数からゼータ関数まで (ブルーバックス)

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