国語辞典に学ぶ因数分解公式
中学校で学んだ代数の中では、因数分解が一番好きだ。シンプルで、役に立たなさそうな中に創造性がほのみえて興奮する。その次は無駄に複雑な文字式の乗除が好きだけれど、でも因数分解には遠く及ばない。
いんすうぶんかい【因数分解】
(名・他サ)
〔数〕一つの式を、いくつかの式をかけあわせた形になおすこと。例、a2 - b2=(a+b)(a-b)。
この定義はさらに嬉しい。「例」に示されている公式が、いちばん好きな公式なのだ。ところで辞書によって載せる公式は違うのか?
と、思って他の辞書も見てみたけれど、そもそも公式や例などを載せていないものも多いみたい。
『広辞苑』は式も載っているので見てみよう。
いんすう‐ぶんかい【因数分解】
整数または多項式を因数の積に分かつこと。例えば、a²+ab-2b²を分解して(a-b)(a+2b)にする類。
こちらは公式ではなく例だな。数字とふたつの文字を使っていて、ややレベルが高い。
『三省堂国語辞典』が、なぜに a2 - b2の公式を例として示したのかはわからない。でもなんとなく「通じ合った」気がして嬉しく思ってしまうのだった。
Aクラス選書は何冊かやったはずだけれど、因数分解で1冊になっているとは知らなかった。ぜひ内容をみてみたい。