気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「お題目」ってなんだろうな、と思ったけれど辞書ごときではわからない話らしいよ。

「お題目」ってのがよくわからない。気になっているのは宗教的意味の方。いろんな辞書に「日蓮宗で唱える南無妙法蓮華経の7字」と出てくるけれど、なぜそれを「お題目」と呼ぶのか、あるいは「口先で唱えるだけで実質を伴わない主張」(『日本国語大辞典』2つめの語釈)というものとどう違うのかがわからない。

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さらに言えば、あちこちで「南無妙法蓮華経の7字」と書いてあるけれど、この「7字」であることが大切なのかどうか。「南無」をつけない5字の「妙法蓮華経」との違いはいったいなんなのかとか、わからないことだらけ。

どうせ難しいことはわからないので、『広辞苑』あたりで、表面的な話だけでも理解したい。まず「題目」を引いてみた。

だい‐もく【題目】
(1)書物の標題。題号。外題。
(2)研究・施策などの主題
(3)箇条。問題。平治物語「叶ひ難き—なる由申されければ」
(4)名目。唱え方。名号。
(5)日蓮宗*で唱える南無妙法蓮華経の7字。御題目。

ふむ。1番めの定義にある「題号」ってのは何だろうな。このあたりがとっかかりになるかもしれない。引いてみよう。 

だい‐ごう【題号】
書物などの題目。表題

嗚呼。久しぶりに出会った循環参照だ。 「題目」とは「題号」のことで、「題号」とは「題目」のことだ。これをやられると気持ちが萎えるんだよなあ。

但し、この言葉については『広辞苑』が手を抜いているというわけでもなさそうだ。たとえば『日本国語大辞典』を見ても「題号」は次のように定義されている。

書物などの題目をつけること。また、その題目。表題。みだし。

やっぱり「題号」とは「題目」のことで、そして「題目」とは「題号」のことなのだ。

たぶんこの世界のことは触れてはいけないんだな。 あるいは深遠すぎて、「定義」の形で明らかにすることができないことなのだろう。

いつか機会があったら勉強してみよう。

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