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気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「おろし金」なしに「大根おろし」は作れるか?

いつもに(さらに)増して、くだらない記事で申し訳ないんだけど。大根おろし」を「おろし金」なしに作れるのかがとても気になった。

答えは「作れない」だ(通説)。

なぜか。理由は国語辞典に書いてある。 たとえば『新明解』で「だいこんおろし」をみてみる。

だいこんおろし【大根下ろし】
(1)おろしがねですりおろしたダイコン。おろしだいこん。
(2)ダイコンなどをおろす器具。おろし(がね)。

大根おろし」とは、「おろしがねで」おろしたものなのだ。『新明解』の説明だけでいいのかと思う人もいるかもしれないので、『広辞苑』もみておこう。

だいこんおろし【ダイコン卸し】
(1)大根をおろしがねですりおろしたもの。おろしだいこん。
(2)大根などをおろす道具。おろし。おろしがね。

やはり「おろしがねで」と書いてある。すなわち、大根おろしは「おろし金」なしには作れないのだ。中島みゆき風に言うのなら「真直ぐな線なんてひけやしないよ。真直ぐな定規をたどらなきゃね」といった感じ(違う?)。


真直な線(中島みゆき)カバー ~bikkeの弾き語り~

ただし「少数説」があることも書いておこう。それは『三省堂国語辞典』だ。

だいこんおろし【大根下ろし・大根卸し】
(1)ダイコンをすりおろしたもの。おろし(大根)。
(2)ダイコンなどをおろす器具。おろしがね。

つまり『三省堂国語辞典』では、「おろし金」など使わずとも「すりおろし」てあれば大根おろしだろうと主張しているわけだ。区別してみれば「行為無価値」が通説で、三省堂国語辞典は「結果無価値」説にたつという感じか(いやいや…)。

ところで『日本国語大辞典』で「おろす」をみれば、数日は楽しめそうな内容ではある。出典も(が?)面白いんだけど、語釈部分のみ抜き出しておく。

おろ・す 【下・降・卸】
〔一〕事物や人を上から下へ移す。
(1)高い所から下の方へ移す。上流から流れくだらせる。また、特に体の一部を下の位置に落ちつける。「手をおろす」
(2)(幕、すだれなどを)垂れさげる。また、(格子、とびら、錠などを)上から下へ動かしてしめる。
(3)(馬、船、車などの)乗物から離れさせる。
(4)陸から水の上に移しおく。また、水の中に入れる。
(5)貴人の前から退かせる。さがらせる。
(6)天皇に位を退かせる。また、身分や地位を低くする。
(7)おつげを受けるため、神の霊を天から下界に呼びよせる。
(8)神仏の供え物や貴人の飲食物の残り、また、使い古しの物などを下げてもらう。おさがりをいただく。
(9)家来に食糧を支給する。
(10)悪くいう。こきおろす。
(11)(風が自分自身をおろす意から)上の方から風が吹く。吹きおろす。
(12)(「胤(たね)をおろす」の形で)高位者が女性を妊娠させる。
(13)上から下への移動と見なしうるそれぞれの行為をする。
(イ)外出用、来客用の物を日常用にまわすなど、品物を一段低いと見られる使い道に変える。
(ロ)白紙に、最初の文字や図形を記す筆をつける。
(ハ)囲碁で、石を打つ。
(ニ)原稿を印刷に回す。また、印刷で、紙型を取るためなどで、組版を次の工程に移す。
〔二〕切ったりすったりして、もとあった所から離れるようにする。
(1)(枝などを)切り取る。
(2)(頭髪を)剃(そ)る。
(3)からだの中から下へ出す。堕胎する。
(4)(魚、鳥、獣の肉などを)切りさく。
(5)(金属を)すりへらす。また、(野菜、薬などを)すり砕く。
〔三〕おさめてある物を使うために出す。
(1)取り出して使う。また、新しい品物を使いはじめる。
(2)商品を問屋が小売商に売り渡す。卸売をする。
(3)(預けた金や元手の金などを)出す。
(4)口先で人をだまして、金品を奪い取る。

〔四〕(木材を地上に横たえる意から転用して)寝ることをいう大工仲間の隠語。

素敵すぎる。

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みんな去ってしまった

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