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シンプル「国葬」対決

国葬」をシンプルに定義しているのは、どの国語辞典だろう。そんな下らないことを考えた。候補は岩波国語辞典、広辞苑(岩波ゆえ)、三省堂国語辞典(わかりやすさを旨としているゆえ)だ。

ちなみに、日本国語大辞典では次のような定義。

国家に功労のあった人の死去に際し、国の大典として国費で行なう葬儀。

これもかなりシンプルだな。

では、岩波国語辞典。

国家的功労のあった人に対し、国の儀式として国費で行う葬儀。

ふむ。一応、日本国語大辞典よりは短い。

広辞苑はどうだろう。

国家の大典として国費で行う葬儀。

おお! これは短いぞ! 「功労のあった人」と記していないところも、岩波らしいじゃん?

で、候補の最後は三省堂国語辞典

国が主体となっておこなう葬式。

いい勝負だけど、これが一番短かった。

国の儀式」ないし「国家の大典」とか、「国費で」なんていう言葉をすべて、「国が主体」という一語にまとめたのがすごいね。もちろん「功労のあった人」云々を外しているのには、政治的意味もあるんだろう。

ちなみに、何度が出てきた「大典」。なんか格式の高そうな言葉でよくわかんないね。これは「重大な儀式」くらいの意味。「葬儀」は基本的に「重大な儀式」だし、「国葬」なんていうと、さらに重大度は増しているんだろう。「国葬」の定義から「大典」の語を外すのは理にかなっているのかな。

一部に人気の新明解に、もしかして面白い定義が載っているかと思ったけど、3版も現行版も、中身は普通だった。

三省堂国語辞典の最新版では確認してないけど(何度も書いているけれど、八版が行方不明^^)、とりあえず三省堂国語辞典のシンプルさがわかりやすいな。


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