日国の「ゾンビ」はかなりマジ
「ゾンビ」は、国語辞典にないものだと思っていた。よしんば載っていても『三省堂国語辞典』的な定義だと思っていた。
『三省堂国語辞典』はこんな感じ。
ゾンビ【zombie】
〔ホラー映画などに登場する〕超自然的な力で生き返った死体。
この程度なんだと思っていた。だけど、国語辞典たちは、意外に「ゾンビ」にマジだ。
『広辞苑』は、まあ平均的なところをいっているかなあ。
ぞんび【zombie】
呪術によって生き返った死体。
まあ、これでも『三省堂国語辞典』に比べればそうとうマジだ。なんせ、ゾンビが映画の話じゃないのだから。
(参考までに。期待した『新明解』に「ゾンビ」はない)
マジなやつらはどう定義するか。『日本国語大辞典』がかなりまじだよ(『大辞泉』も結構マジ。但し日国に似ているので略)。
ゾンビ({英}zombie )《ゾンビー》
ブードゥ教で、まじない師が生き返らせて霊力で操る死人。また、邪悪な霊力などによって、生きた姿を与えられた死体。
ね。特定の宗教名も出ているし、超自然の力で死体を生き返らせるわけでもなく、たんじゅんに死体を「操ったもの」なわけだ。
どうも人は(ぼくは)、「ゾンビ」というとなんとなくふざけた感じをもってしまう(「どうせ娯楽映画の話だろ」みたいな)。しかし『日本国語大辞典』などは、「冗談じゃねえんだよ」と主張して、ぼくたちに現実にそこにある危機を伝えてくれているんだな。
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