気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「だくあし」

岩波少年文庫版の『ドン・キホーテ』を読んでいる。その中に「だくあし」の表現が出てきた。

ちょっと驚いたのは、三省堂国語辞典の第7版に「跑足」(だくあし)が載っていなかったこと。三省堂国語辞典は、ちょっと前にも「削除用語」論争で盛り上がっていたけど、岩波少年文庫に出てくるような言葉を削って良いものかどうか

ちなみに三省堂国語辞典以外はたいてい載せているようだ。ここは日本国語大辞典を引いておく。

だく‐あし
〔名〕
(「だく」は、馬の足音の擬音という)
馬術で、馬が前脚を高くあげてやや速歩(はやあし)に歩くこと。また、その足なみ。ししあし。だく。

だくあし」。ぼくの年代の人は小説などでみたことがあると思うな。

ちなみに英語では「trot」という。

トロット」も翻訳英文学なんかにはよく出てくるね。もちろん国語辞典でも出てくる。

トロット
〔名〕
({英}trot )

(1)乗馬で、馬の足並みの一つ。並歩(なみあし)と速足(はやあし)との中間の軽い駆け足。速歩。だくあし。
(2)「フォックストロット」の略。

自宅に三省堂国語辞典しかない人は、岩波少年文庫版(ものすごい簡略版)『ドン・キホーテ』を読むことができないのだなあ…。わりと悲しいお話だ。


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