地層に関する本を読んでたら、次のような記述があった。
日本では岩塩は産出しませんが、海外 では、アメリカやドイツ、イタリアなどのヨーロッパ諸国などで 出されています。
— maeda, h (@torisan3500) 2023年4月30日
via 『地層のきほん』https://t.co/bRHYEsUoPl
日本では産出しないって常識? 知らなかった。
気になったので、国語辞典でもみてみた。すると、辞書ごとの違いが結構面白い。
日本国語大辞典はこんな感じ。
がん‐えん 【岩塩】
地層から掘り出した塩。等軸晶系に属し、塩化ナトリウムから成る鉱物。多くは塊状または粒状をなし、ガラス状の光沢があり、透明あるいは半透明。ドイツやポーランドに多い。山塩(さんえん)。
「地層から」ってのがよくわかんないよね。「地面から」ではなく「地層から」。「岩塩」は「地層をなす」ということなんだろうけど、「地層」になってない「岩塩」は本当にないのかなあ?
岩波国語辞典もなかなか面白いよ。
がんえん【岩塩】
岩石の間に層をなし、また火山の昇華物中に産する。塩。白色・灰色で光沢があり、質はもろい。
「火山の昇華物」ってのも、馬鹿にはよくわからないよね。まさか火山が昇華したものじゃないし(笑)。また、ぼくの手元にはこぶし大の岩塩があるんだけど、これ、ハンマーで叩いても砕けないんだよね^^。「質はもろい」ってのはどういうことなんだろうか。
新明解の三版をみてみるとこんな感じ。
がんえん【岩塩】
陸地の岩石の間から産する、粒状・(立方体に)結晶した塩。
「岩石の間から」ってところからひっかかるよね。岩塩の層があるわけでなく、岩塩は常に「岩石の間」にあるということなんだろうか? また、塩の結晶といえば「立方体」なわけなんだけど、わざわざ「立方体に」と記したのはなぜなんだろう?
一番すなお(?)なのは大辞泉かなあ。
がん‐えん【岩塩】
塩化ナトリウムからなる鉱物。少量の不純物を含む。立方体の結晶または粒状・塊状で産出し、等軸晶系で、無色または白色。食塩の製造原料として重要。山塩(やまじお)。石塩(いしじお)。
この定義には、あまり「不思議」もないね。
と。「岩塩」の(いろいろな不思議)に思いをはせたGWの一日だったよ(^^)。なお英語では「rock salt」というらしい。
rock salt
noun
a kind of salt that comes from the ground