気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「正倉院」は一般名詞

歴史には強くない(弱い^^)ぼくだ。そんなぼくは、放送大学の講義を耳にするまで、「正倉院」がかつて、「一般名詞」であったことも知らなかったよ。

奈良時代においては主要な倉庫のことを正倉といい、その幾棟かが集まっている一郭を正倉院とよんだ。正倉は中央・地方の諸官庁や寺院に設置され、正税 (しょうぜい) すなわち租税として国に納められた稲や穀物、その他の財物を収納していた。(ニッポニカ)

時代が下って、、、

それらの正倉のすべてが滅んでしまった。現存するものは、もと官寺であった奈良の東大寺に付属していた正倉1棟のみで、今日、正倉院といえばこれをさし、固有名詞化している。

知らなかったなあ…。なるほど、日本国語大辞典にも正倉院」が一般名詞であったことを示す記述がある。

令制で、官の倉。役所の倉庫。また、その建物と敷地。正蔵院。

なお、手元にあるちょっと版の古い小型国語辞典(岩波国語辞典や新明解ないし三国)を見てみたところでは、いずれも「正倉院」も「正倉」も立項していない。

「正倉」はともかく「正倉院」は立項すべきなんじゃないのかなあ…

広辞苑にはさすがに「正倉」・「正倉院」ともに立項されていた。

正倉
律令時代の中央・地方の諸官庁または寺院などの倉庫のうち主要なもの。…奈良東大寺のもののみ現存し、今日では固有名詞化している。

ま、小型辞典がしかとする現状をみると。ぼくが一般名詞としての「正倉院」を知らなかったことは、そんなに恥ずかしいことではないのかも(^^)


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