『辞書と日本語』という本を読んでいる。著者は『大辞林』初版の編集長。10年ほど前の本だけど、なかなか面白い。
本書によると、「コンサイス」という語は三省堂の商標なんだそうだ。ぼくら世代に懐かしい「コンサイスコンポ」は使用料を払ってたらしい。
「コンサイス」が三省堂の登録商標なので、使用料を支払っていたんだそうだ via 『辞書と日本語』 > 当時のCM 1978/79 テクニクス コンサイスコンポ ビッグGM: buff.ly/12FA24d
— maeda hiroakiさん (@torisan3500) 2013年5月26日
「ステレオ」が一般化して、「コンポ」が、「コアファン」以外にも普及し始めた頃。まあ、うちは田舎者なので、世間よりもちょっと遅めに感じているかもしれないけれど^^。
で、「コンサイス」。まず『岩波国語辞典』第七版・新版は項目がない。まあ、それはそれで見識だ。『新潮現代国語辞典』にもない。『明鏡』にもないな。小型辞書でいうと『三省堂国語辞典』第六版が載せている。
簡明(カンメイ)。簡潔(カンケツ)。「—判(バン)〔=書籍(ショセキ)で、縦十七センチ、横十センチの大きさ。『コンサイス英和辞典』[商標名]の大きさから〕」
そうか、形は小さいだけでなく、独自のものだったか。
- 作者: 木原研三
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2001/11
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そうそう、小型辞書の中で『新明解』第七版を見ないわけにはいかない。
携帯用の小型辞書(の判型)
そうか。やはりサイズも重要らしい。
中型辞典に行ってみよう。『広辞苑』第六版はさらっと「小型辞書の商標名」としている。『大辞泉』第二版は商標についての言及はなく「簡潔な、簡明な、の意」。
手持ち辞書のうち 『大辞林』第二版が簡にして要だ。
三省堂版の小型辞書の商標名
「よくまとまってるじゃないか」と思った。まあそれは当たり前か。『大辞林』は三省堂の辞書だ。
最後に『辞書と日本語』の目次を簡単に記しておく。
- 作者: 倉島節尚
- 出版社/メーカー: 光文社
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第一部 「辞書を読む」
1章 日本語の変化を辞書はどう映すか
2章 辞書には何が書いてあるか
3章 語源の奥深さ
4章 用例は語る
第二部 「辞書作りの舞台裏」
5章 見出し語はどのように選ぶか
6章 辞書の命 ― 原稿製作
7章 辞書作りの手順
第三部 辞書をより深く知る
8章 辞書の歴史
9章 辞書の近未来