気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「特殊算」はどこまで国語辞典に載っているのかな?

時計算」とか「旅人算」とか「和差算」とか「植木算」とかが嫌いだ。

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問題自体が嫌いなのではなく、「特殊算」として「名前」がついているのが嫌い。「特殊」でもなんでもなく、普通に考えれば解けるんだもの。

ちなみに「鶴亀算」とか「ニュートン」というのはそんなに嫌いじゃない。それらの命名には「出会い」の驚きとか喜びとかがあると思うから。

でも「時計算」とか「流水算」などは「この問題はこのように解きましょう」というような「丸覚えチャート」な性格が透けてみえて気持ち悪く感じてしまう。

まあそんなことはともかく。「まさか載っていないよな」と、『日本国語大辞典』で「時計算」をひいてみると載っていた。

とけいざん【時計算】
〔名〕算数応用問題の一つ。時計の時刻に関する問題で、長針と短針が一直線になったり、重なったり、直角になったりする時刻を求めるもの。

ふーむ。こんなものも載っているということは、あれもこれも載っているんだろうか? チェックしてみた。引いたのはすべて『日本国語大辞典』。

まずはやはりこれから。

つるかめ‐ざん 【鶴亀算
算数応用問題の一つ。鶴と亀を合わせた数とその足の和を与えて、鶴と亀のおのおのの数を求める類の問題。

ちなみに「応用問題」になると「カブトムシ」も参加してくるんだそうだ(笑)。

りゅうすい‐ざん【流水算】
算数応用問題の一つ。舟が川を上下する際の舟の速さ、流れの速さ、所要時間などに関する問題、およびこれに類似の問題。

これも「特殊算」ってか、ふつうに論理の問題で、「解法」を示すのがふさわしいことだとはあまり思わない。

わさ‐ざん 【和差算】
算数応用問題の一つ。二つの数の和と差についての条件からその二つの数を求めるもの。

もちろんぼくは「方陣算」も大嫌い。

ほうじん‐ざん【方陣算】
算数応用問題の一つ。いくつかのものを方陣に配置することに関連したものをいう。

方陣算」とか「植木算」とか、解法暗記で解く子が本当にいるのが驚き。

うえき‐ざん【植木算】
算数応用問題の一つ。一定の間隔をおいて並べた植木、電柱などを対象とし、間隔、本数、全体の距離の三つのうち、二つを与えて、残りの一つを求めさせる問題。

「年令算」ってのもあったな。

ねんれい‐ざん 【年齢算】
算数の問題の一つ。「父の年齢は四二歳、子は六歳である。父の年齢が子の三倍になるのは何年後か」のように年齢に関するもの。

そういえばある小学生と話していたとき、「なんで差がつまるんだろう? そうか、お母さんはもうすぐ年をとらなくなるのか!」なんて怖いことを言っている子がいたな。

「仕事算」も問題の意味と比の意味がわかれば「ふつう」の問題で、むしろ名前がついていることに違和感を感じる子もいると思う。

しごと‐ざん 【仕事算】
算数応用問題の一つ。「ある仕事をAだけでやれば五日かかり、Bだけでやれば六日かかる。二人で共同してやれば何日でできるか」というような種類の問題。

いやあ、それにしても載っているものだな。『広辞苑』ではどうなんだろう。

鶴亀算」は載っている。上にあげたものでは、他に「植木算」、「年令算」が載っているみたい。鶴亀算は「ひねった算数」の代名詞的存在だから国語辞典に載せる意味もあるんだろう。でも「植木算」とか「年令算」を国語辞典に載せてなにか意味があるのかどうか。

まあ『日本国語辞典』としては、私立無償化時代を察知して、そんな時代の「親子の対話」に思いやったのかもしれない。

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