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気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「コンビーフ」は「ジャーキーを細くして柔らかくしたものである」と彼女が言った

食べ物

彼女とは妻のことだ。妻はしばしばわけのわからないことを言う。今回の「お題」は「コンビーフ」。なかなか「コンビーフ」の語が出てこなかった(彼女はやはり頻繁に言葉を見失う)。

ノザキブランド 熟成コンビーフ 100g

ノザキブランド 熟成コンビーフ 100g

説明しようとして曰く「ビーフジャーキーを細く柔らかくしたやつ」。

違うだろうよ。まあしかし、いろんな保存用肉料理を辞書で見たことはないな。おまけに「ジャーキー」ってのはなんで「ジャーキー」というのかな。『広辞苑』第六版で「ジャーキー」を見る。

干し肉。乾燥肉。

ふむ。まあそうだろう。

ヤガイ 極厚ビーフジャーキー 55g

ヤガイ 極厚ビーフジャーキー 55g

語源はなんだ?食事をちゃんと味わえない奴でも、とくに何の工夫もなく栄養を摂ることができると、「ばかもの」(jerk)あたりから来ているのか?

それもぜんぜん違った。『ランダムハウス英和大辞典』第二版によれば「charqui」が転じたものだとのこと。charquiとは、インディオであるケチュアの言葉で「乾燥肉」というんだそうだ。それが英語に入ってjerkyになった。

これを柔らかくすると「コンビーフ」になるかどうか。こちらも『広辞苑』で引いてみる。

牛肉に食塩と微量の硝石とをすりこみ、しばらく冷蔵したのち、蒸し煮して、殺菌・加熱したもの。多くは缶詰。コーンビーフ。

「硝石」がよくわからないけれど、まあジャーキーとは別物のようだな。ちなみに「多くは缶詰」とあるけれど、『新明解』第七版などのように缶詰以外のコンビーフの存在を認めないものも多い。

塩味だけの、牛肉の缶詰。コーンビーフ。[かぞえ方]一缶

かぞえ方まで「缶」であると強硬に主張している。ちなみにWikipediaによると「コンビーフの缶詰は台形」というイメージが強くて、台形以外のものの流通量はとても少ないのだそうだ。

そうそう。Wikipediaの定義も引いておこう。

塩漬けした牛肉を高温高圧で加熱してほぐしフレーク状にした後、牛脂で固めたもの

まあ「ジャーキーを柔らかくした」とか言わず、こちらの定義を使うのが無難だろう。

ところでコンビーフ。英語ではcorned-beef。うっかり「トウモロコシだけで育てた牛」かななんて思っていると恥をかく。

cornには「小さな堅い塊」の意味があり、塩などもcornと呼ぶことがあるようだ。そこからcornには「〈肉・魚肉などを〉粗塩に漬けて保存食品にする」 の意味がある(『ランダムハウス英和大辞典』第2版)。

ところで「コンビーフ」というものの存在を知ったのは『十五少年漂流記』だったと思う。

本に出てきたときは、とてもおいしいものだと感じたな。初めて食べたときは独特の匂いもあってガッカリしたことを覚えている。今でもあまり好きな食べ物ではない。

十五少年漂流記 〔完訳決定版〕 (創元SF文庫)

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確か、ジャガイモと混ぜた料理や、卵と一緒に料理したものでおいしく感じるものもあったかな。でもコンビーフの匂いが勝ってしまうと、ちょっと食べずらいものになるような気がする。あるいは、本当は香りを楽しまなくちゃいけないものなのかな。

そのうちに何か試してみよう。

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