落語にも「らくだ」という話がある。まだ聞いたことのない頃に、ネットで調べたことがある。そこで「ある朝とつぜん、長屋で死んでいたらくだ」という説明を読んだ(気がする)。
古今亭志ん生 名演大全集 3 らくだ/強情灸/親子酒/宿屋の富
- アーティスト: 古今亭志ん生(五代目)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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「らくだ」というのは古典落語だ。それでいて「ある朝とつぜんらくだが死ぬ」のだ。ちょっとスゴそうだ。
まあ実は、そんな思いには誤解があった。たとえば東京の落語では、死んだらくだは「馬」。よけいにわからないだろうけど、ともかくワンダーランドだ。
ところで、「らくだ」にさらに驚いた(こんなことを知らなかったのはぼくだけかもしれない)。
はくだのシャツって、本当にらくだの毛で織るのか。色が似てるだけかと思ってた via 『三省堂国語辞典』 #辞書 #国語辞典 pic.twitter.com/KM3KZ7m8Ab
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 6月 7
「らくだのシャツ」とかってのは「らくだ色」という意味なんだと思っていた。本当にらくだの毛で織るのだなあ。
『広辞苑』の「らくだ」はかなり詳しい。
らく‐だ【駱駝】
(1) ウシ目ラクダ科ラクダ属の哺乳類の総称。北アフリカからアラビアにいるヒトコブラクダと中央アジアからモンゴルにいるフタコブラクダの2種。前者は体長2.5メートルほど、後者はやや大きい。毛色はふつう黄褐色。砂漠での生活に適し、足の裏は厚く柔らかく砂にめり込むのを防ぎ、鼻孔は開閉できて砂が入り込まない。背に脂肪質のこぶがあり、養分を貯えるほか、代謝水ともなる。運搬用・乗用として飼養され、砂漠の旅行に重要な家畜。毛は織物の材料。なお、ラクダ科にはラマ・アルパカも含まれる。たくだ。駝馬。両峰駝(りょうほうだ)。〈倭名類聚鈔(11)〉
(2) 毛織物・毛糸の一種。ラクダの毛から製したもの。灰褐色。「—のシャツ」
(3) 江戸時代、夫婦または男女が連れだって歩くこと。
(4) 江戸時代、炭・蝋燭などの下等品の称。
(5) 落語。「らくだ」というあだ名の乱暴な男が河豚を食べて死んでいる。訪ねてきた兄貴分と出入りの屑屋がそのとむらいをする。
「夫婦連れ立って歩くこと」を「らくだ」というのは、江戸時代に夫婦駱駝の見せ物がはやったからなのだそうだ(via 『日本国語大辞典』)。
「下等品」を「らくだ」というのも、やはり見せ者になったらくだがのんびりして見えたのと、それから「楽ちんだ」とのダジャレから言われるようになった言葉らしい(via 『日本国語大辞典)。