以前、「ちり紙」の記事を投稿した。「ちり紙」についてはわかったんだけど、そういえば「ティッシュ」は国語辞典にてどのように扱われているんだろう?
と、思って最初にみてみたのは『新明解』だ(上の写真)。
ティッシュ
一 (金糸・銀糸を織り込んだ)薄地の織物。二 袋や箱に収まっていて、一枚ずつ取り出せるようにした、ちり紙などに用いる薄い紙。
ティッシュとは「袋や箱に収まって」いることが必須であるあたりが面白い。
なお、ライバルの『三省堂国語辞典』はこんな感じ。
ティッシュ(ペーパー)
(名)〔tissue (paper)〕
うすくてやわらかい高級ちり紙。
編纂者が年配の方なのかもしれないな。現代において、「ティッシュ」が「高級」であることもなさそうだし、また「ティッシュ」について「やわらかい」と形容することも少ないように思うのだ(ティッシュはみなやわらかい)。
『広辞苑』もやはり歴史的用法(ないし英語のtissue paper)に配慮して語釈する。
ティッシュペーパー【tissue papaer】
薄く柔らかい紙。本の挿絵の上に挟んだり、美術品などの包装に使ったり、また化粧紙・塵紙などに用いる。
最初の方の語釈は英語のtissue paperに引きずられたかな。現代の一般的日本語で、「ティッシュ」を「本の挿絵の上に挟む紙」と認識すること(認識する必要のあること)はほとんどないように思うんだけど。
つまり。
ぼくたちはまだ「ティッシュ」という言葉が日本語に入ってくる過渡期に生きているのかもしれないなあなんて思う。「ティッシュ」を説明するのに、語源的、というか、元来の意味ないし英語の意味に立ち戻らないと説明できない感じ。
あと3回ほど改定すれば、いろんな辞書の「ティッシュ」の語釈も書き直されるのではないかと思う。
と。「ティッシュ」を引くだけで40分ほど遊ばせてもらいました。国語辞典は面白いっすね(^^)。
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