気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

フラメンコ!

恥ずかしい話だけれど。小学六年生の頃「将来の夢は?」と言われて「ジプシーになりたい」なんてこたえた(小6でこれは馬鹿だろう)。馬と親しく生きる映像をテレビで見て、それで憧れたんだと記憶する。

その「ジプシー」音楽の「フラメンコ」だけど、辞書で理解するのはなかなか難しいな。

たとえば『チャレンジ小学国語辞典』はこんな具合だ。

フラメンコ
スペインに古くから伝わる情熱的な歌とおどり。ギターの伴奏が入る。

あはは! これじゃあフラメンコじゃない音楽を探すのも大変だぞ。

「情熱的」が指標として微妙だし、「ギターの伴奏」が入らない曲ってのも難しい(Tom's Dinerか?)。

子供用辞書だからかなあと思いつつ、それならばと、大人用辞書である『新明解』を見てみた。

フラメンコ【flamenco】
スペインのアンダルシア地方に伝わる民族舞踊。ギターとカスタネットに合わせて大きな動きで踊るのが特色。

なるほどね。フラメンコを知っている人なら、これもまあアリな説明かもしれないな。国語辞典にはときに、こうして「本物を知っている人にいかに説明すべきか」みたいな語釈があるね。逆にいえば「知らない人」には何の役にも立たない語釈^^。

日本国語大辞典』はどんな感じだろう?

フラメンコ({スペイン}flamenco )
スペインのアンダルシア地方に伝わる民族舞曲カンテ‐フラメンコおよび舞踊バイレ‐フラメンコの総称。特にその舞踊は、軽妙なステップで床を鳴らして踊るのが特色。

「床を鳴らすのが特色」ってのはなかなか面白いね。

国語辞典にも、しばしばこんなふうに「知ってる人にはよくわかる」語釈が現れる。インターネット時代であれば、まあそれもOKかもしれないね。

ボリュームだけ増えるから引かないけれど、「フラメンコ」については、それぞれが力を注いでる(笑)。ちょっと手元の辞書を見てみても面白いかもしれない。

 


スペイン・コルドバ・フラメンコ