みなさん! 「装置」って言葉は誰もが知ってる言葉だろうと思うんだけど、辞書で見たことはありますか?
辞書ではたいてい「装置」ってのは「装置する」の動詞が第一義となっているよ!
日本国語大辞典(最近、第一版も入手してしまった…。幸せすぎる…)が「装置」を動詞として載せていてもまったく驚かない。でも小学生向けの辞書も、動詞としての意味を第一義としているんだなあ。
『チャレンジ小学国語辞典』はこんな感じ。
そうち【装置】
機械や道具などをとりつけること。また、そのしくみやしかけ。
これはどうなんだろう?
ぼくは半世紀の人生で「装置」を動詞として使ったことはないように思うんだ。たとえばどんな風に使う? 「デパートの入り口には自動ドアを装置しようよ」とかそんな感じか。現代人が用いるなら「装置る」とかいうのか?
「装」という字を使っているところからすると、たぶん最初は動詞だったのかもしれない。『日本国語大辞典』では次のように定義している。
そうち【装置】
(1)(─する)ある目的のために、機械・道具・設備などをそなえつけること。しかけをすること。また、そのしかけや設備。こしらえ。
(2)(「ぶたいそうち(舞台装置)」の略)舞台に設ける大道具、小道具、照明などの設備。
用例には夏目漱石の『明暗』もあがっていたな。
明暗〔1916〕〈夏目漱石〉一五五「自動車の前側に装置してある巨大な燈光を満身に浴びて立った」
なるほど、夏目漱石は確かに動詞として「装置」を使いそうなタイプ(?)ではある。でも、やっぱり「装置」を動詞として使うのはレアケースなんじゃないかと思うなあ。
しかし『新明解』も『岩波国語辞典』も、『大辞林』や『広辞苑』なんかもみんな、装置の定義を「動詞」からスタートしている。
見てみた限りでは、「装置」を動詞として定義するのにためらいをみせているのは『三省堂国語辞典』だけだ(10冊くらいしかみていないけれど)。
『三省堂国語辞典』を引いておこう。
そうち【装置】
(1)しかけ(をすること)。
(2)舞台装置
(をすること)とカッコでくくり、「みんな動詞として定義しているんだけど、それはどうなんだろうね?」と意思表示をしているように見える。三省堂国語辞典には、たまにこうした男らしさ(?)を見ることができる。
個人的には「装置」を動詞として使う用法は1%に満たないと思うんだけどどうなんだろうな。
なお。ぼくが「装置」という言葉をきいてまず頭に浮かべるのはトグルスイッチだ^^。「子供の科学」なんかのエレクトロニクス工作事例で、トグルスイッチが使われているとそれだけで興奮した。日がなトグルスイッチをかちゃかちゃして過ごしたこともあるな…。たぶん男の子の2割弱くらいはそういう経験を持っているんじゃないか?
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