うさぎは名前も覚えてくれるし、多少の言葉の意味も覚えてくれる。一緒に暮らしていてとても楽しい存在だ。
そういう、一緒に暮らす動物のことを「ペット」と言うけれど、辞書には意外に「キワドイ」言葉も併記される。
『広辞苑』第六版を見てみる。
ペット【pet】
(1)愛玩(あいがん)動物。「—の子猫」
(2)お気に入りの年少者。
さらりと「お気に入りの年少者」なんて言葉を入れる。すげえなあ、『広辞苑』、と思ったところが、これが国語辞書の常識である様子。
『明鏡』も2番めの語釈は「お気に入り。また、年少の愛人」となっている。
なるほどなあと思いつつ、それならば『新明解』第七版あたりが挑戦的な語釈をしているかと見てみた。
ペット〔pet〕
その家庭で、家族の一員のようにかわいがる(小)動物。〔お気に入りの年少者や年下の恋人の意にも用いられる〕
ふむ。件の意味をカッコ入りにしているあたり、他の辞書よりもむしろおとなしい。どうやら『新明解』編集部もそう感じたのか、隣に「ベッドイン」という語を載せてバランスをとっている(そういうわけではあるまい!)。
ベッドイン〔bed in〕
異性と寝ること。
ふはは。語釈はよくわからないな。ちなみにこの「ベッドイン」は載せていない辞書も多い様子。
『日本国語大辞典』はさすがに載っている。用例が素敵なので引いておこう。
ベッド‐イン〔名〕
({洋語}bed in ) 男女が性行為をすることを婉曲にいう語。
*いつか汽笛を鳴らして〔1972〕〈畑山博〉「あいにくね、今彼氏とベッドインしたとこなんよ」
何か「あいにく」なことがあったのだ。本題は「ペット」なので、そちらの方向はこの辺で。