気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「そこのけ!」ではない「そこのけ」

いつものように国語辞典をぱらぱら眺めていると「そこのけ」という言葉があった。

なんだよ。馬が通るのか?

どうやら国語辞典の「そこのけ」は 「道をあけろ」とは違うみたいだ。『新明解』から引いてみる。

そののけ
(「其処退け」の意味)
〔接尾語的に〕…もかなわないほどの技術(技量)がある様子。

用例として挙がっていたのは「先生そこのけの上達」。

なるほどなあ。国語辞典は、「其処退け」の応用編(?)を載せているんだな。

一般向け(小学生向けではない)の辞書にはほとんど立項されているみたいだな。

広辞苑』をみる。

そこのけ【其処退け】
(多く体言の下に付いて)その人に劣らないほど技量がすぐれていること。「玄人―の出来ばえ」

『明鏡』はどうだ?

そこのけ【其処退け】
《名詞について》それをしのぐほどすぐれている意を表す。はだし。「プロ―の腕前」

もちろん『日本国語大辞典』にもある。

そこのけ 【其処退】
(そこをのけ、あっちへ行けの意から)
それよりもはるかにすぐれていること。その道で知れわたった者をしのぐこと。また、そのさま。現代では、多く体言に付いて接尾語的に用いる。はだし。

うむ。「現代では」と書かれているのがちょっと気になるな。別の用法を知らないなあ。

『大言海』と『古語大辞典』をみてみたけど、どちらにも項目を見つけられなかった^^。

どなたか、過去の用法などご存知の方は教えてください。


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