何十年かぶりに「あしながおじさん」を読んだ。その中に、「この新月もお見せしたいです」という表現があった。
あと、この新月もお見せしたいです! わたしは右の肩ごしに新月を見ました。
— maeda, h (@torisan3500) 2022年4月6日
via 『あしながおじさん』 (ウェブスター)https://t.co/vMEW6XsmOy
「理科」が得意だった人は、「新月って見えるの?」と疑問に思うはず。
世界大百科事典には次のようにある。
月と太陽の視黄経が一致する瞬時。朔(さく)ともいう。太陰暦では一般にこれを含む日を各月のはじめの日(朔(ついたち))とした。この日,月は見えないが,日食となればその所在は知れる。
そう。一般的な知識としては、「新月」は「見えない」はずなんだよな。ただし、世界大百科事典には、続きがある。すなわち、
なお,新月を字義どおり朔のあと最初に見える月とし,それが見える日を月の初日とすることもある。
月が見えなくなって、その次に最初に見える月を「新月」とするという話。「新月」を「見え始めた月」と解するのも、わりと一般的であるようだ。
全文全訳古語辞典などにも、次のような定義がある。
しん-げつ 【新月】
❶陰暦で月の第一日。ついたち。
❷陰暦で、月の最初に見える月。三日月。
❸十五夜の上り始めた月。
まあつまり。「新月」ってのは「見えてもおかしくない」ものであるんだな。小学校や中学校での理科とはちょっと違うかもしれないけれど。
さらに、「見えない」新月も、太陽光が地球に反射して見えるようになる、場合もあるそうだね。「新月」をコミュニケートするのは難しいんだな。