「かやくごはん」って、どうしてそんな呼び名になったんだろうと辞書を引いてみた。
引いてびっくり。どうやら「かやくごはん」ってのは方言らしい。『広辞苑』から「かやく」を引いてみよう。
か‐やく【加薬】
(1) 漢方で、主要薬に補助の薬品を加えること。また、その薬。
'2) (主材料に加える意で「加役」とも書く)炊込み御飯・うどんなどに入れる肉・野菜などの具のこと。主に関西でいう。
「主に関西でいう」んだそうだ。 ちなみに「かやくごはん」の立項はなく「加薬飯」がある。語釈は「五目飯のこと」のひとことだけ。
念のため「五目飯」も引いておこう。
ごもく‐めし【五目飯】
魚介・鶏肉・野菜など種々のものを具として炊き込んだ醤油味の飯。骨董飯。加薬飯。味付飯。
わはは。「骨董飯」とかなんでそう呼ぶんだろうな(こちらにちょっと意外にも感じる語源がありました)。「味付飯」はそのままだが、「塩にぎり」にする「塩ごはん」とはどう区別するんだ。
ところできっと「五目飯」と「まぜごはん」の区別が気になる人もいるはずだ。かなり微妙な違いで面白い。やはり『広辞苑』から引く。
まぜ‐ごはん【混ぜ御飯】
あたたかい飯に、味付けした肉・野菜・油揚などの具(ぐ)をかきまぜたもの。
一緒に炊き込んだのが「五目飯」で、後で加えるのが「まぜごはん」だ。
「かやくごはん」が方言らしいということとともに、知らない事実ばかりが出てきて楽しかった。
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