先日、生涯ではじめて「ズッキーニ」を料理してみた(焼いてパスタの具にしただけだけど)。
料理したのは、母が送ってくれたズッキーニ。料理ってものにうといので、最初は「何かがおかしくなった胡瓜」なのかと思ったよ(笑)。
『三省堂国語辞典』も「実の形が大型の胡瓜に似ている西洋野菜」だなんて定義しているしね。
そんな話はともかく、「ズッキーニ」って、日本語ではなんと呼ぶのだろうと考えた。
先の『三省堂国語辞典』にはとくに記述がなかったので、一番手近にあった『広辞苑』をみてみた。
ズッキーニ【zucchini イタリア】
(植)ペポカボチャのうち、地中海地方で栽培されるものの総称。果実や花付きの幼果を食用。
と、こんな定義になっていた(ちなみに全文だ)。
「ペポカボチャ」なあ。常識ある人(ちょっとした料理くらいすぐにできる人)は「ペポカボチャの一種」ときいて「なんだ、そうだったのか!」になるのかもしれないけれど、常識のないぼくにはまったくわからない。
もっとわかりやすい説明はないのかなと、『新明解』をみてみた。
ズッキーニ
カボチャの一種。実の形はキュウリに似て、果皮は緑色や黄色。若い実や花を西洋料理に用いる。
「ペポカボチャ」でなく「カボチャの一種」となっているな。まあその分、わかりやすいと言えるかもしれないな(「花」を食するのかどうか疑問に思うけれど、常識のないぼくの疑問なんかを追いかけると底なし沼だ)。
ただ「ペポカボチャ」という言葉に出会ってしまった以上、「ペポカボチャ」のことも知らなくちゃならないだろう。
『広辞苑』に責任をとってもらうことにする。
ペポカボチャ
(pepo)カボチャの一種。ペポは種小名。茎・花梗は5稜。北米東部原産。ソウメンカボチャ・ポンキンなど多くの品種があり、果実の大きさ、色などさまざま。食用のほか、観賞用・飼料用。
なるほどなあ。よくはわからないけれど、要するに「カボチャの一種」ってことみたいだな。
ただ、「日本語でなんていうのだろう?」は相変わらず不明なので、『日本国語大辞典』にあたってみた。
ズッキーニ
({イタリア}zucchini )
「かざりかぼちゃ(飾南瓜)」の食用品種。開花後一週目の若い果実をいため物などに用いる。
ほう。「かざりかぼちゃ」ってのは「ペポカボチャ」とイコールなのかな(面倒くさくなって、もう追求しない^^)。
新しい言葉は出てきたわけだけど、ただ日本語でなんと呼ぶのかはわからないね。
もしかすると、ズッキーニってのはつい最近になって日本に入り、それがために日本語の呼び名なんてないんじゃなかろうか?
そんなことを思ったんだけれど、どうやらそれがピンポン(「それが正解」という意味で「それがピンポン」というのは一般に通じる言葉だったっけ?)。
『日本大百科全書』をみてみた。
(前略)日本に輸入されたのは1977年(昭和52)で、翌年には長野県で栽培が始まり、流通しているもののほとんどが国内産になっている。(後略)
1977年! そんな頃まで日本には「ズッキーニ」なんてものはなかったんだ!「Gメン'75」より新しいじゃないか!(ぼくはものごとの新旧をGメン'75を境にして考えている)。
つい最近まで日本で知られていなかったものなので、日本語の呼び方なんてなかったし、また改めて作るまでもないわけなんだろうな。
ズッキーニのおかげでいろいろ勉強になり、そして思い出にひたることもできたハナモクの夜だった。