ちなみに英語では「crater」。その意味は…
cra・ter
n.
1 (火山の)火口,噴火口
2 隕石(いんせき)孔:地球,月などの表面上に見られる流星体(meteoroid)の落下穴
3 〔天文〕 (月面などの)クレーター. cf. WALLED PLAIN
4 碗(わん)状間欠噴泉口.
5 弾孔,弾痕(だんこん):地雷,爆弾などが破裂して地面にできた穴.
(以下11まで、および動詞の意味略)[1613.<ラテン語<ギリシャ語 「混ぜるためのどんぶり」,字義は「混ぜるもの」(kerannỳnai「混ぜる」より);cf. CRASIS]
上は『ランダムハウス英和大辞典』。実は「クレーター」とは「火口」の意味だ。
でも日本語で「クレーター」というと、一般的には月なんかのぼこぼこ地形のことを言う。
『小学新国語辞典』をみてみる。
クレーター【crater】
月の表面などに見られる、噴火口のようなくぼんだ地形。
『チャレンジ小学国語辞典』でも同じような感じだ。
クレーター【crater】
月や火星などの表面に見られる、噴火口のようにくぼんだ地形。
いずれも「噴火口のような」となっている。つまり「クレーターは噴火口ではない」と主張しているわけだ。
英語では「噴火口」のことなのに、日本語では「噴火口のような」ものになる。もしかして子供向けの辞書だから簡単に記そうとしているのか?
大人向け辞書である『広辞苑』をみてみる。
クレーター【crater】
惑星や衛生の表面の円形にくぼんだ地形。火山活動の跡や隕石孔とされる。
ふむ。「火山活動」への言及はあるが、クレーターがすなわち「火口」なのではなく、あくまでも「跡」なのだとされている。
なんでこんなに英語とは違う意味を強調しようとするんだろうか。
そんな疑問をもちながらいろんな辞書や事典を眺めていると、『日本大百科全書』に次のような記述があった。
英語では普通に火山の火口のことをさすが、日本語では月の表面などに多数みられる環形の地形のことをいう。
もしかすると『日本大百科全書』も「なんで英語の意味を排除するんだろう」と疑問に感じたのかもしれないな。
ところで。もちろん国語辞典の中にも「クレーター=噴火口」であると書くものもある。たとえば『日本国語大辞典』だ。
クレーター
({英}crater )
(1)噴火口。
(2)月面や火星表面に見られる噴火口状の凹んだ孔。
『日本国語大辞典』の語義掲載順は古いものから順番のはずなので、もともとは「クレーター=噴火口」という用例があったんだろう。
英語と同じ意味を示す「クレーター=噴火口」の意味が、いつ頃からどういう理由で消えていったのか。
自分で調べる能力はないんだけど、誰か教えてくれたら嬉しいな(^^)。
はやぶさ2、リュウグウ表面に人工クレーターを確認 JAXAが会見(2019年4月25日)
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