「皮」なんて、あまり辞書でひかないかなあ。たまたま『新明解』でみると、意外に面白そうだった。
動植物の外側をおおい、内部を保護するもの。
「当たり前」にみえるけど、「動植物」をまとめて扱う(扱える)のがちょっとおもしろい。また、皮は「境界」にあるものなんだけど、「内部を保護する」と断定しているのが、なかなかおしゃれだ。
他の辞書だとどうなんだろうな。
きっとわかりやすい定義をしているに違いない小学生用の辞書をみてみる。光村の『小学新国語辞典』はどうか。
かわ【皮】
生物や物の表面をおおっているもの。
『チャレンジ小学国語辞典』はどうか。
かわ【皮】
(1)動物や植物の外側を包んでいるもの。
(2)物の表面をおおって、中身を包んでいるもの。
(3)ほんとうのすがたをかくしているもの。うわべ。
なるほど。この2つを見て気づいたが、「皮」は「モノ」にも使えるな。『新明解』の「動植物」という説明はちょっと足りないのか。
『広辞苑』はどうだ?
「皮」を辞書で見ると難しいね。
— maeda hiroaki (@torisan3500) May 7, 2019
「覆って外面となるもの」 via 広辞苑 #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/eXchEXntQF
この「覆って外面となるもの」ってのは、ちょっとウマイね。「動物」「植物」「モノ」の一切を包含することができる。
さらに「獣類の皮を剥いでつくったもの」と、「何かを包むもの」ではない、「単体」の皮を載せているのも「サスガ」な感じだ。
この『広辞苑』の描き方は『日本国語大辞典』にも共通している。
ところで「皮」といえば「skin」だな。英語ではなんか違うニュアンスがあるかなあとみてみたんだけど、だいたい「皮」と「skin」は同じような感じみたい。
ただ『ランダムハウス英和大辞典』にあった例文はちょっとおもしろかったのでひいておく。
たとえばこれ。
wear woolens next [or close] to one's skin
毛織物を肌にじかに着る
どういう状況の話をしているのか、裏の意味があるのか、例文として載せることの意図はなにか。ちょっと勉強不足でわからない。
あるいはこんな例文もあった。
She left him time to grow skin over his wound.
彼に立ち直る時間的余裕を与えてやった
「そのwoundを作ったのは誰なんやっ?!」と訪ねてみたいね。彼女の振る舞いにどのような意味があるのか、これまた難しい。
辞書でみるまでもない(と、思い込んでいる)言葉も、ときにかなり興味深い。幸せな時間を過ごした(^^)。
らっきょうの簡単な皮むき 【美人女将サーヤのおばんざいブログより】