ぼくはきっと「ネクラ」だが、それはともかく。
小学5年生5人と話す機会があったんだけど、みな「ネクラ」の語を知らなかった。
「まあ、単なるはやり言葉だったし、子供たちが知らなくても全く問題ないね」とそいう思った。
しかし実は「ネクラ」、多くの国語辞典に載る「ちゃんとした」(?)言葉なのだ。
「ほんとかよ」と疑う人もいると思うので(ぼくも載っていないと思ってた)、最大権威の『日本国語大辞典』を引く。
ね‐くら 【根暗】
(「根が暗い」の意)
人の性格が暗いこと。また、そのさま。
「ネクラ」が単なるはやり言葉でなく、正当な日本語であることの証明は、きっとこれで十分だろう。
「もっと新しい辞書ではどうなの?」という疑問もあると思うので、『広辞苑』第七版をみてみる。
ねくら【根暗】
(「根が暗い」を略した俗語)本性が陰気であること。また、その人。↔根明ネアカ
「俗語」であるとの注記はあるが、しかし広辞苑も、辞書に載せ続けるべき語であると判断したわけだ。
実はかなり意外だ。個人的には「しょーもない言葉」というイメージがあって、『新明解』や『大辞泉』に載ることはあっても、『広辞苑』などにはないんじゃないかと思っていたのだった。
ちなみに国語辞典の中には、「私は載せるべきかどうか悩んでいるんですが…」というエクスキューズのようなものをつけた語釈をしているものもある。『三省堂国語辞典』だ。
ねくら【根暗】
〔生まれつき、性格が暗い〈こと/人〉。〔1982年ごろから流行したことば〕(↔ねあか《根明》)
「積極的に載せたくはないんですけどね。でもはやっちゃった言葉なんでしょうがないっすよね」。そんなエクスキューズが聞こえてきそうな気もする。
たぶん、5世代あとの『三省堂国語辞典』からは消えているんじゃないかな(^^)。
「ネクラ」なんて言葉で、ひさしぶりに(クラク)盛り上がってしまった。
世界仰天ニュース【松坂桃李の'エンジェル幼稚園児'から'根暗少年時代'