温度計のさきっちょをなんて呼ぶか知ってる、なんて自分で問をたてたけど。そもそもぼくは、今のひとたちと「温度計」という物体について共通認識を持っているだろうかなあ。とてもあやしい。
ぼくがイメージしているのは、こんなやつだ。
この写真でいうと下側の部分をなんと呼ぶかご存知だろうか?
答えは「球部」だ。理科の問題なんかで、たまに問われることもある。まじめに勉強していた人は「乾球温度計」とか「湿球温度計」なんて言葉を覚えているかもしれない。そう、百葉箱に入っているやつだ。
あれは、球部が湿っていれば湿球温度計、乾いていれば乾球温度計と呼ばれるのだった。
そんなことを思い出したんだけど。
どうも「球部」という言葉を見出しに立てている国語辞典を見つけられない。Googleって見ても、ヒットするのは「稲中卓球部」とか…。
もしかして温度計のさきっちょを「球部」と呼ぶのは間違いだったか? そんなことを思いながら辞書を探してみた。もちろん間違いじゃなかったな。『日本国語大辞典』の、たとえば「湿球温度計」の項目の中で使われている。
しっきゅう‐おんどけい[シッキウヲンドケイ] 【湿球温度計】
乾湿球湿度計の一対の寒暖計のうち、球部を薄いガーゼなどで包み、一端を水壺につけたもの。
ぼくの40年ほどの記憶は間違いじゃなかったんだな(^^)。
でもそれにしても。理科であれだけしつこく学ぶ百葉箱なんだから、「湿球」ってのは「球部」が濡れているんだよ、ってことで、「球部」も立項してほしいところだよな(もしかして今は習わないの?)。
(それとも、他にもっと一般的な呼び方があるのかな?)