気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「取り巻く」ことについて。

NHK高校講座(アイドルを使って浮かれてるの以外は結構見てる)の地学で、原子の話をしていた。曰く「水素原子は原子核の周りをひとつの電子とりまいている」と。

これ、違和感を感じるよね。「ひとつの電子」が「とりまく」ことは可能なのかどうか。たとえば『三省堂国語辞典』をみる。

とりまく【取り巻く】
(1)まわりをかこむ。
(2)人のきげんを取って、いっしょに飲み食いをする。

これを見る限り、「ひとつ」が何かをとりまくことはできなさそうだな。

ま、それは。単に言葉の勢いで言っちゃったとして(軽く流す^^)。辞書をひいてみて2つめの語釈が気になった。

つまり「人のきげんを取って、いっしょに飲み食いをする」の部分だ。

「部長の取り巻き」とか、そういう用例は聞いたことがある。でも 「とりまき」は「いっしょに飲み食いをする」が必須の条件なんだっけ? ちょっとそんな話はきいたことがないな。

試しに『広辞苑』をみてみた。

とりまく【取り巻く】
(1)取りかこむ。かこむ。
(2)人につきまとって機嫌をとる。「社長を取り巻く連中」

やはり「いっしょに飲み食いをする」なんて条件はない

こういう話には強そうな(?)『新明解』もみてみた。

とりまく【取り巻く】
(1)まわりをぐるりと囲む。
(2)自分の将来にとって有理になりそうな人と始終接近して、機嫌をとる。

やはり「いっしょに飲み食いをする」という条件はないね。当然だと思う。「いっしょに飲み食いをする」という条件を加えた『三省堂国語辞典』がおかしいのだろう。

しかしなんでそんな条件を加えたかな。よっぽど腹が減っていたんだろうかな。


【理論】原子の構造!陽子・電子・中性子・原子核・質量数・原子番号の数と関係