『小学新国語辞典』では「ぐれる」は「若い人が悪い行いをするようになる。不良になる」と定義されている。
若くない人だってぐれるよなあと、国語辞典をめくってみた。『大辞泉』はこんな感じ。
ぐ・れる
1 正しい道をふみはずす。不良化する。
2 予期した事が食い違う。見込みが外れる。
とくに「若い人」限定ではないな。
他の辞書もみていて気になったのは『広辞苑』や『日本国語大辞典』にある「『ぐれ』が動詞化した」なんていう記述だ。
「ぐれ」ってなんだよ。
そう思いつつ『広辞苑』をさらにみると、「ぐれ」もちゃんと立項されている。
ぐれ
(「ぐれはま」の略)物事のくいちがうこと。
わっはっは。「ぐれはま」もわかんないっつーの。
しかたないのでさらに「ぐれはま」を見る(広辞苑)。
ぐれはま
「ぐりはま」に同じ。
ちょっと嫌になってきたな^^。ものはついでで「ぐりはま」をみる(広辞苑)。
ぐりはま
(「はまぐり(蛤)」の倒語)物事がくいちがうこと。あてがはずれること。ぐれはま。
「倒語」ってなんだったっけとか、疑問に思うでしょ。もう疲れたのでそれは無視。ただ、『日本国語辞典』で見てみる。
はま‐ぐり 【蛤・文蛤・蚌】
(1)略
(2)略
(3)(形動)物事が齟齬(そご)すること。くいちがうさま。「はまぐり」の「はま」と「ぐり」を逆にして、くいちがう意を表わす「ぐりはま」をさらに元にもどしていった語。
(4)略
(5)略
(6)略(7)略
「さらに元にもどして」が全くなんのことやらわからないけれどね。でも「はまぐり」には「物事が齟齬する」という意味があるんだってさ。
まあまとめると。
「物事が齟齬する」という意味の「はまぐり」を、芸能人風に逆にして「ぐりはま」。それがなまって「ぐれはま」。そしてそれを略して「ぐれ」。いつしか動詞化までしてしまって「ぐれる」という言葉が生まれたんだってさ。
知らなかったし、知った今となっても「なんじゃそれ」の感じだ。なんつーか、海産品、奥が深い。