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百八煩悩

小学生低学年の頃、大分県杵築市寺町というところに住んでいた。クラスメイトにも「伊藤さん」という、お寺の子(可愛い)がいたな。

その寺町では、大晦日に多くの寺が一斉に除夜の鐘をつく。一般の人も並んで鐘をついたりしていた。回数のカウントはいいかげんだったけど、一般に108回つくものだと教わったな。それが人間の煩悩の数だからと。

そんな知識は持っていたけれど、「百八煩悩」という言葉があるのは知らなかった。

『岩波国語辞典』や『三省堂国語辞典』なんかにも載っている。メジャーな言葉なんだな。語釈は『日本国語大辞典』から。

ひゃくはち‐ぼんのう[‥ボンナウ] 【百八煩悩】
仏語。人間の持つ一〇八種の煩悩。一説に眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が、色・声・香・味・触・法の六塵(ろくじん)と関係する時に、それぞれ苦楽・不苦・不楽の三種があって、一八の煩悩となる。これを染・浄の二つに分け、この三六をさらに過去・現在・未来の三つに分けて、合計一〇八となると計算したもの。人間の迷いのもととなる煩悩のすべて。百八結(ひゃくはちけち)。百八結業(けちごう)。百八。

多次元世界を描いた言葉なんだな。

今年も、ちょっとだけ知恵が付きました(^^)。


除夜の鐘 108回。主にお寺の画像と音声。BGMとしても。