気になる言葉 on 国語辞典

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イオン化傾向(時と場合により変わる)

イオン化傾向」。化学を学ぶ上で必須の知識なんだけど、国語辞典に載っているとは思わなかったな。でも、けっこういろんなものに載っているみたいだ。日本国語大辞典大辞泉広辞苑などには掲載されている。

イオンか‐けいこう[イオンクヮケイカウ] 【─化傾向】
金属原子が電子を放出して陽イオンになろうとする傾向の度合。ナトリウム、マグネシウムのように陽イオンになりやすい原子は酸化されやすく、イオン化傾向が大きいという。

上の定義は『日本国語大辞典』。いろんなことを完結にまとめているけれど、「陽イオンになりやすい原子は酸化されやすい」ってのには、いろいろと説明が必要だと感じるんだけどどうだろうな。

それはともかく。

「なんちゃって化学履修者」のぼくは、本を読んでいてびっくりした(外出自粛要請期間は、いろいろとびっくりするチャンスではある)。

イオン化傾向は、いろんな条件により変化し得るんだそうだ。習って忘れたのかもしれないけれど、ぼくはこれを知らなかった。「かそーかな、まああてにすんなひどすぎるしゃっきん」ですべてが終わりだと思っていたのに…。

どんな条件で、どんな風に変わるのかは、ぼくごときには追求できない話なんだろう^^。

ちなみに『大辞泉』。イオン化傾向を具体的に書いてくれていて、まあ、役に立つんだろうな。

イオンか‐けいこう 〔‐クワケイカウ〕 【イオン化傾向
金属が水溶液中で示す、陽イオンになろうとする傾向。カリウム・カルシウム・ナトリウムなどは傾向が大で、銅・銀・金などは傾向が小。
[補説]主な金属をイオン化傾向の大きい順に並べると次のようになる。K(カリウム)>Ca(カルシウム)>Na(ナトリウム)>Mg(マグネシウム)>Al(アルミニウム)>Mn(マンガン)>Zn(亜鉛)>Cr(クロム)>Fe(鉄)>Cd(カドミウム)>Co(コバルト)>Ni(ニッケル)>Sn(スズ)>Pb(鉛)>(H(水素))>Cu(銅)>Hg(水銀)>Ag(銀)>Au(金)。

それにしても「イオン化傾向」が条件によって変わるってのはいつ学んだんだろうなあ。化学履修者には常識なのかなあ…

なお、これまでのことを教えてくれた『新しい高校化学の教科書』には次のようなことも書かれていた。

不動態」。知ってました? アルミニウムや鉄がときによって不思議な挙動をすることは知っていたけれど、それは「個別丸覚え」すべきものなんだと思ってた。その挙動をさす用語(不動態)があるとは知らなかったな。驚くべきことに、多くのIMEで「ふどうたい→不動態」を一発変換する。この言葉を知らなかったぼくは、相当に「馬鹿」ということなんだろう。

悲しい。


酸化還元⑫ 不動態について