気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「他人の飯を食う」

他人の飯を食う」という言葉がある。久しぶりに辞書で見かけたんだけど、この言葉、今やなかなか正しく受け取ってもらえない言葉なんじゃなかろうか。

他人の飯」ってだけで結構難しいものね。

他人のために用意された飯」を指すのか、それとも、「知らない人が作った料理」を指すのかがわからない。文としてはどちらでも成り立つもんね。

「他人のために用意された飯」という意味ならば、「他人の飯を食う」というのは「かまし」とか「厚顔無恥」とか、そんなことを意味しそう。

知らない人が作った料理」を食うのなら、「外食」とか「中食」(この言葉、ぼくは馴染めない)が一般的な時代にあっては「なにそれ、当たり前じゃん?」みたいな話だし。

「他人の飯」の正解を紹介する前に、英訳を紹介しておこうかな。『プログレッシブ和英中辞典』を見る。曰く

live among strangers

これでもう「他人の飯を食う」の意味がわかっちゃった人もいるかもしれない。『日本国語大辞典』で日本語の説明をみてみよう。

たにん の 飯(めし)を食(く)う
肉親のもとを離れて、他人の家に寄食する。また、他の家に奉公などして、他人の間でもまれて、実社会の経験を積む。

たいていは「実社会の経験を積む」というような意味で使われるそうだよ。

実社会」が「奉公」を意味することが多かったんだろうな。今だったら、実社会の経験を積んでも「他人の飯」なんて食わねえし。

昔からある言い回しとか言葉とか、そういうのはわりと好き。でもこの「他人の飯を食う」は、さすがに時代錯誤な言葉かもと思うね。


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