ぼくは人生で数え切れないくらい「すかすか」という言葉を使ってきた。「なんだよ、首位攻防戦なのにすかすかじゃん」みたいな感じ。つまり「中身が詰まっていない」という意味で「すかすか」を用いてきた。
基本的に「すかすか」は、そのような意味一択かと思って過ごしてきた。ところが「すかすか」には別の意味もあるらしい。
たとえば『大辞泉』をみる。
すか‐すか
一
1 切れ味がよく、思いのままに切れるさま。
「茨など生いしげりて…―と切って払いて」〈鏡花・竜潭譚〉
2 鼻で数度、外気を強く吸い入れるさま。
「あっちこっちに鼻先を振り向け、頻りに―息を吸い込んでいたが」〈里見弴・今年竹〉
3 滞りなく事が運ぶさま。
「あまりのことのうれしさに、―と走り寄り」〈仮・四人比丘尼〉二
[形動][文][ナリ]物の中身や、ある範囲の空間に、すきまがたくさんあるさま。「水気のない―な大根」「昼間なので、車内は―だった」
ぼくは「一」の1~3の用法で「すかすか」を使ったことがない(確かに用例を見たことはある気がする)。『日本国語大辞典』も、いろいろと知らない用法を挙げる。
【一】〔副〕
(「と」を伴って用いることもある)
(1)滞りなく事がはこぶさま、苦もなくすらすらと行なうさまを表わす語。
(2)切れ味がよくて、思いのままに切れるさまを表わす語。
(3)すきまのあるさまを表わす語。
(4)においをかぐときなど、鼻で続けて数度、強く外気を吸うさまにいう語。
(5)弓で矢が的を射そこなうさまにいう語。
【二】〔形動〕(1)すきまがあるさま。「中がすかすかになる」
(2)「すかすか【一】(2)」に同じ。
【三】〔名〕
急ぐことをいう女房詞。
今でも一般的に「すかすかと事が運ぶ」とか、そういうことを言うんだろうか?
ぼくの使わない「すかすか」だらけで、ちょっとショックをうけた3月1日だった(^^)。
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