気になる言葉 on 国語辞典

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「瀬戸」は「瀬戸内」にあらず

瀬戸」とは「瀬戸内」とか「瀬戸内海」のことだと思ってた。一般名詞としての「瀬戸」があるなんて全く考えてなかったよ…。以下、日本国語大辞典(抄)

せ‐と 【瀬戸】

(1)(「せど」とも。「せ」は「狭(せ)」と同源か。「と」は、両側からはさまれて狭くなっている所の意)狭い海峡。両方から陸地がせまっている小さな海峡。また、川の瀬の幅が狭くなった所。
(2)「せとぎわ(瀬戸際)」の略。
(3)「せともの(瀬戸物)」「せとやき(瀬戸焼)」などの略。
(4)(どんぶりは瀬戸物であるところから)どんぶりに盛った飯、どんぶり飯をいう、盗人仲間の隠語。〔特殊語百科辞典{1931}〕

そうか。考えてみれば「瀬戸際」という言葉があるのだから、「瀬戸」が一般名詞なのは当たり前の話。ぼくは今まで「瀬戸際」の意味をどう考えていたんだろうなあ。

一般名詞としての「瀬戸」は、小型辞典でもたいてい掲載しているみたいだ。たとえば新明解(七版)なら以下のような感じ。

瀬戸
(1)狭い海峡。
(2)「瀬戸物・瀬戸際」の略。

そういえばぼくは「近畿」が一般名詞であることも、最近まで知らなかったなあ…

kininarukotoba.hatenablog.com

もしかすると「瀬戸の花嫁」の「瀬戸」も一般名詞なのかと考えたけど、こちらはさすがに「瀬戸内」のことらしい(^^)。

ちなみに「瀬戸際」もついでに引いておく(日国)。

せと‐ぎわ[‥ぎは] 【瀬戸際】

(1)瀬戸と海との境。小さな海峡と海との境目の部分。
(2)成功か失敗かの分かれめ。安危・生命など、運命がきまる重大な分岐点。瀬戸。

瀬戸」が一般名詞であることを知らなければ意味不明じゃんね。馬鹿だなあ>おれ。


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