ぼくは奄美大島生まれ。で、奄美大島では伊勢海老もよくとれる(過去形かもしれないが、現在のことはよくわからない)。
しばらくして。伊勢の伊勢海老を食べたぼくは「え、伊勢にも伊勢海老っているの?!」とびっくりしたのだった。
そしてびっくりした瞬間に「そうかっ、伊勢にいるから伊勢海老なのか!」と大いに自分を恥じたのだった。
しかしどうやら、ぼくは自分を恥じなくても良かったのかもしれない。
伊勢の商人が三重のエビを各地に売りさばいたことから「伊勢エビ」と呼ばれたという説のほか、跳びはねて逃げる「威勢のいいエビ」に由来するという説もある。 via #日経新聞
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2019年5月25日
伊勢エビとはhttps://t.co/CxHK908feY
伊勢海老の語源は「威勢がいいから」という説があるそうなのだ(^^)。
その説に従うのなら、とうぜん「へ〜、伊勢にもイセエビがいるんだね」と驚いても良いことになる。
そうは言いつつ。なんか「威勢がいいから」説は、こじつけっぽいよね。きっと国語辞典なんかには「伊勢のエビ」とかなんとか書いてあるに違いない。
『日本国語大辞典』を見てみた。
いせえび 【伊勢海老】
(1)イセエビ科の一種。茨城県から九州までの太平洋岸の岩礁に多くすむ。雄は体長三◯センチメートル以上になるが、雌は雄より小形である。体は円筒状で、尾部は扁平に近く、体色は濃褐色。頭胸部の甲羅は特に堅く、表面に多くのとげがある。第二触角は体よりも長い。五対の胸脚にははさみがない。肉は美味でいろいろな料理に用いられるほか、姿が美しいので祝儀の際にも用いられる。漁期は一〇月から翌五月頃。かまくらえび。学名はPanulirus japonicus 《季・新年》
(2)(よく跳ねまわるというところから)おてんばをいう、女学生間の語。
おや? 「伊勢のエビ」だということは書いてないな。語源も記していなかった。
もしかすると「伊勢海老」は「伊勢のエビ」ではないのか? 『広辞苑』をみると「鎌倉蝦」ともいうのだと書いてある。
「端的に説明するぞ」の立場をとる『三省堂国語辞典』はどうか。
いせえび【伊勢海老】
岩の多い海にすむ大型のエビ。りっぱなひげがある。食用。また、正月のかざりにする。
へ〜。めくってみた限りの辞書に「伊勢のエビ」の記述はないな。
「伊勢にもいるのか!」と驚いて自分を恥じたぼくは、少なくとも伊勢あたりの名産であると信じてきた。しかし、とりあえず国語辞典にそんなことは書いていないみたいだ。
結論として、だ。伊勢に伊勢海老がいることについて、驚いても良いということがわかった!
有意義な一日だった。
Japanese spiny lobster vs Cat 猫vs伊勢海老