「プラスα(プラスアルファ)が欲しいね」なんて言い回しで、「プラスα」はよく耳にした言葉だったな。
ちなみにこの言葉、「間違いからうまれたんだ」と多くの辞書が記しているね。たとえば『新明解』をみる。
プラスアルファ〔+x(プラスエックス)の誤認に基づく和製英語〕
幾らかを足すこと(足したもの)。
確かに、筆記体で書いた「x」は「α」に見えなくもないね。
むかし、辞書で「xの誤解」説を見かけて以来、ぼくはずっとこれが通説なんだと思っていた。
ただ、ちょっと気になって『日本国語大辞典』をみてみた。
プラス‐アルファ
({洋語} {英}plus +{ギリシア}alpha )
決まった量のほかにいくらかを加えること。別のなにかがわずかに加わること。また、その量。
「間違いから生まれた」というような記述はない。語誌欄もなく、ふつうに上の定義が書いてあるだけだ。
もしかすると誤り由来説以外の説があるんだろうか。『広辞苑』もみてみた。
プラスアルファ
(和製語plus alpha)ある状態に、さらにいくらかを付け加えること。また、そのつけ加えたもの。
む。こちらにも誤り由来であるとの記述はないな。もしかしてぼくが通説だと思っていたのはフェイクニュースだったんだろうか。
Wikipediaも「xを誤解したという説もある」というような内容になっているな。ぼくの長らくの思い込みは、もしかすると恥ずかしいシッタカだったのかもしれない…
とりあえず、人に自慢気に語るのはやめておいたほうが良さそうだね(^^)。
【池部楽器店】演奏にプラスアルファ。LP188フットタンバリン+カホンと一緒に試奏編