気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

悪夢

悪夢」ってなんですか。ぼくは単に「見たくない、いやな夢」の意味で使っていた。『新明解』を見ていてちょっと驚いた。

あくむ【悪夢】
凶と判断される夢。「悪夢を見る〔=(a)不吉な夢を見る (b)悪魔に魅入られたとしか言いようの無いあってはならない所業を実際に見聞きしたり、一時行ったりする」(以下略)

凶と判断される」で始まるのにひっかかった。

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「逐電」とは?

じじいなもので「逐電」という言葉は見知っている。昔の本なんかにはよく出てくるのだ。

たとえば芥川龍之介の『桃太郎』だ。

日本一の桃太郎は犬猿雉の三匹と、人質に取った鬼の子供に宝物の車を引かせながら、得々と故郷へ凱旋した。――これだけはもう日本中の子供のとうに知っている話である。しかし桃太郎は必ずしも幸福に一生を送った訣ではない。鬼の子供は一人前になると番人の雉を噛み殺した上、たちまち鬼が島へ逐電した。のみならず鬼が島に生き残った鬼は時々海を渡って来ては、桃太郎の屋形へ火をつけたり、桃太郎の寝首をかこうとした。

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「チキン野郎」は辞書にあるのか?

鳥肉以上、鳥学未満』という本を読み始めた。『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』(面白かった!)を書いた人の本だ。

その中に「チキンバーガー」のことが書いてあった。

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「ルンペン」はドイツ語だよ。 

ぼくの世代のちょっと前まで、「なんでもドイツ語」が世の風潮だったみたいだ。ぼくはその時代を生きていないからよくわからないけれど、でもたとえば「シャンなメッチェン」とかって言い回しが市民権を得ていたのなら、やはりドイツ語が流行ってたってことなんだろう。

そういうことを知識としては知っているぼくが「帰ってきたヒトラー」を見て気になったのが「ルンペン」って言葉だった。

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「ぺろり」。

辞書に「ぺろり」はあるか? ぼくはあるとは思っていなかったけど、実はたいていの辞書に載っている。ほとんどの人が辞書で引かずに一生を終える言葉なんじゃなかろうか?

たとえば『日本国語大辞典』をみてみる。

ぺろり
(多く「と」を伴って用いる)
(1)舌でなめるさまを表わす語。
(2)舌を出すさまを表わす語。多くは、照れた時や相手を揶揄(やゆ)する時のしぐさについていう。
(3)またたく間に食べ尽くしてしまうさまを表わす語。
(4)手で顔などをなでたりぬぐったりするさまを表わす語。

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国語辞典の卵黄はムズいよ。

生物に学ぶイノベーション』という本を読んでいた。面白かった。その中で「卵黄」について記していた。

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「処刑」は婉曲表現?

北朝鮮で「処刑」があったらしいと報道されているね。

ところで「処刑」ってのは、一般に「死刑執行」と理解されているけれど、国語辞典的な意味はなんだろう?

しょけい 【処刑・所刑】
刑罰を加えること。科刑。特に、死刑に処すること。

そう。『日本国語大辞典』をみても「処刑」とは「刑罰を加えること」なんだよなあ。

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