気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「話に尾鰭が付く」の本当の意味をようやく発見?!

「尾鰭が付く」とか「尾鰭を付ける」という表現がわからなくなった。 たとえば『広辞苑』第六版では次のような定義になっている。 事実以外のことをつけ加えて、話を誇張する。 『大辞泉』第二版でも同じような感じ。 話が伝わる間に実際にないことが付け加…

ちょっと混乱する「自愛」

友人が退院することになった。そこで「ご自愛ください」とツイートを送り、ふと『広辞苑』第六版を見てみた。 1 (多く手紙文で使う)自らその身を大切にすること。「自重—を祈る」2 品行を慎むこと。 むむ。まあ手紙文で使うとあるから良いんだけど、例文が…

「みいはあ」ってのは女性のことだけど、別に本気で馬鹿にしてるんじゃないんだよ by 『新明解』

辞書には「言葉を残す」という役割がある。それがため、ときにあっと驚く表現が残っていたりして楽しませてくれる。 ただ、今回の「みいはあ」はやはり狙って楽しませてくれているんだろうな。 ミーハー(森高ランド・ヴァージョン)アーティスト: 森高千里…

数字を巡る辞書の戦い ~ 『新明解』 vs. 『精選版日本語国語大辞典』

『新明解』第七版を眺めていると「千人」の語に出会った。なぜわざわざ「千人」なんて、と思ったところが、多くの辞書に「千人」の項目はある様子。 とりあえず『新明解』の語釈を見る。 一人の千倍。〔多数の意味に用いられることもある〕 なるほど、そうい…

辞書で「転失気」を引いてみた人はいますか?

てっきり「落語」の言葉なのだと思っていて、辞書で引いてみることがなかった。 落語一席シリーズ 三代目 三遊亭金馬 「転失気」アーティスト: 三遊亭金馬(三代目)出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント発売日: 2009/12/23メディア: CD…

洗って乾かすまでが洗濯です!

「わっはっは。乾かすまでが洗濯だってよ」と言うと妻が怒った。「ふざけんじゃないわよ。畳んで片付けるまでが洗濯なのよ」。 それはともかく。『新明解』第七版だ。 汚れた下着やふだん着などを洗って、きれいにし、乾かすこと。 「乾かすこと」が入ってい…

いん・しゅう・しん・かん・さんごく・しん(もしもしかめよかめさんよ)…

ぼくはリズムなしでそのまま覚えた中国歴代王朝。 その「殷」を使った「殷賑」という熟語があるのを知りませんでした。出会ったのは本日(2013年5月13日)の日経新聞読書欄。 15世紀から16世紀前半までのヴェネツィア共和国は、東方交易で膨大な富を蓄積し、…

楽しい「落語」も辞書でみれば難しい(^^)

たまに落語の話題を出す。ちょっと落語が好きだ。CDが200枚くらいあって、DVDも結構ある。本は…、まあかなりある。知らない言葉や、現在とは用法の違う言葉が出てくるのも面白いところだと思う。 志ん生的、文楽的 (MouRa)作者: 平岡正明出版社/メーカー: 講…

「幸福」とは「シアハセヨキコト」

ふと立ち寄った古本屋に『新訂大言海』を見つけ(まあ、どこにでもあるものだが)て買ってきた。 なんとなく「幸福」を引いてみた。もちろん「コウフク」でチェック。 しかし、違うんだなあ。甘かった。 旧仮名遣いで辞書を引くのもなかなか楽しい。「幸福」…

「かまぼこ」ってのは「ガマの花の穂」のことなんだよ。

「かまぼこ」をご存知だろうか。 【鈴廣かまぼこ】超特選蒲鉾古今 白1本出版社/メーカー: 小田原鈴廣メディア: その他この商品を含むブログを見る 普通、かまぼこと言えばこんな感じだ。ついてくる板が本棚などの下に敷くのにちょうどよかったりする。学生…

状況に安んじる「楽天」を批判する『広辞苑』(タイトルはツリ)

妻が「楽天をお友達登録してパンダのスタンプをゲットしたんだと喜んでいた。 そういえば「楽天」ってのはどういう意味だったかね。なんとなく期待させてくれる『新明解』第七版を見てみた。 曰く「生きることを楽しいと思うこと」。 新解さんの読み方 (角川…

ほとんどの辞書で項立てされている「えーくらす」

『岩波国語辞典』の第三版(1984年)を眺めていた。「えーくらす」という項目がある。語釈は「高級。上級。」となっている。当時はやった言葉だったのかな、と『岩波国語辞典』第七版・新版を見ると、こちらも同じ語釈でそのまま掲載されている。 なんだろう…

『新明解』が手元にあるなら、やはり「あっち」系をチェックすべきか

そりゃそうだよ。それで「性交」を引いてみた。辞書は『新明解』第七版。 成熟した男女が時を置いて性的な欲望を満たすために肉体的に結合すること。 この定義を見て、落語好きが思うのは「短命」。 落語名人会(30)?柳家小三治6 薮入り/短命アーティスト: 柳…

「天災」のことを「事変」とも言うらしい ― ごめんね『早引き類語連想辞典』第二版

落語に「天災」という噺がある。もちろんわざわざ落語を出さなくても、「寺田寅彦」と言えばみんな「天災」を思い出したりする。 科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))作者: 寺田寅彦,池内了出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000…

みんな「火だるま」に対して投げやりなんじゃなかろうか。

有名な『新解さんの謎』にも『新明解』の「火達磨」の語釈についての記述がある。 からだ全体に火がついて燃え上がった状態。 なるほどと思いつつ、他の辞書ではどうなんだと引いてみた。『大辞泉』第二版もけっこう冷たい。 全身に火がついて燃えあがること…

盲亀の浮木、優曇華の花 ― 落語に出てくる「優曇華の花」とは?

(落語ネタ「野晒し」はこちら) すぐに思い出すのは「花見の仇討」。他にもあったような気がする。「高田馬場」なんかにも出てきたかな。 ところで、落語以外でも聞いたことがあるはずの「優曇華の花」ってのはなんだろう。 『大辞泉』第二版の第一義では「…

マシュマロにちょっと困る新明解

「マシュマロ」というのが少々気になった。そもそもホワイトデーってのはマシュマロを渡す日なんだったっけ? ぼくの子供の頃にはなかったからよく知らない。 プーさんのいちごマシュマロ 30袋入出版社/メーカー: エイワメディア: その他この商品を含むブロ…

かわいいけど迷惑な「あんくん」のこと

「あんくん」。なんか可愛いけど実は迷惑な存在らしい。 そういえば意味はもうおわかりだろうか。「暗君」と書く。意味はもちろん「愚かな君主」(『新明解』第七版)で、「名君」の反対語だ。 あってもおかしくない言葉だけど、見たことなかったな。 類語を…

『新解さんの謎』あるいは「凡人」について

『新解さんの謎』という有名な本がある。96年に出て大いに話題になった。ぼくなんかは恥ずかしくて手に取れなくて、そのまま最近まで過ごした。 新解さんの謎 (文春文庫)作者: 赤瀬川原平出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/04メディア: 文庫購入: 11人 …

カニの中でもどのカニがカニ?

タラバガニは「カニ」じゃないんだそうだよ。そんなことを昔、教わった気がするな。 「和名に『カニ』の名があるが、生物学上はヤドカリの仲間である」。ああ、そう聞いていた気もするが忘れていたな via 『新解さんの謎』 / “タラバガニ - Wikipedia” htn.t…

「純喫茶」とはなんだ?

「純愛」って言葉もあるね。中学生の頃は「プラトニック」という言葉を口に出したりもしたっけ? まあ「純」の付く言葉があれば、その反語として「純」がつかない言葉が何か想定されているわけで、そういうのに胸を熱くしたこともあった(ような気がする)。…

「ちょっかい」とは猫の動作を言うのだそうだ

『広辞苑』第六版で「ちょっかい」を引いてみた。まるで意味がわからない。 1. まがって萎縮した手。 2. 相手の腕や手をののしっていう語。 まあ、3つめ以降の語釈はわかるんだけど、この2つが全くわからない。そして、他の辞書をみてみるとさらに驚きに事実…

広辞苑は「スパム」にとっても冷たい!(追記あり)

スパムと言えば、第一義はこちらだろう。 スパム posted by (C)torisan 実はぼくの田舎は奄美大島で、沖縄経由でSPAMがよく入ってくる。だから「ソウルフード」的扱いでもあるんだ。 このスパムのことは、たとえば『大辞泉』第二版ではこのように定義する。 …

「人骨野晒し」は重言なのか?!

「野晒し」(のざらし)という落語がある。 柳家小三治II-1「野晒し」-「朝日名人会」ライヴシリーズ42アーティスト: 柳家小三治出版社/メーカー: Sony Music Direct発売日: 2007/06/20メディア: CD購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (1件) を見…

大辞泉では辞めたところで終わっている「安倍晋三」(追記あり)

一般的には「やり直し」はないものな。可哀想ではある。あ、いや、可哀想なのは『大辞泉』第二版。「安倍晋三」が項立てされている。 平成18年(2006)に首相就任。教育基本法を改正し日本国憲法の改正も目指したが、年金記録の不備や閣僚の事務所費問題など…

「インターネット」は、既に「インター・ネット」ではないのかも?

現代的な言葉を見てみようと、「インターネット」を見てみた。 一番うれしいのは『新明解』第七版。独立の項目がないのだ。「インター」という接頭語に繋がるものとして説明している。 ―ネット 世界じゅうのコンピューターをつないで加入者の間で情報交換が…

「瞬間湯沸し器」の「湯沸し器」ってなんだっけ?

サンキュータツオがテレビで「比喩」の話をしていた。ちらとみただけなので何という番組で、どういう趣旨の番組なのかはわからない。 さらに関係ないけれど、「比喩」ということについて「お勉強」する上でとても気持ちよかったのは『生きた隠喩』だった。 …

芸者を「猫」と呼ぶわけ、あるいは下品なぼくの妄想

「猫」の意味を知らない人はいない。炬燵でもどこででも主に丸くなってるやつらだ。 『新明解』第七版では次のように定義されている。 家に飼う(愛玩用)小動物。形はトラに似て、敏捷。暖かい所を好み、ネズミをよくとるとされる。 『岩波国語辞典』第七版…

相撲 ― はだかでまわしをつけるプレイ!

大辞泉の「相撲」語釈はあまりに素敵だ。 大辞泉 第二版 DVD付作者: 松村明,小学館国語辞典編集部出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/11/02メディア: 大型本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 普通は「二人が、力やわざによって勝負を争う…

「隧道」とは「はかみち」のこと

「隧道」という言葉がある。たとえば下の写真には「笹子隧道」と書かれている。笹子トンネルを潜らずに、峠に登っていくと出会うことができる。 結局のところ、「隧道」とはトンネルのことだ。 と、思っていた。しかし広辞苑の定義はちょっと異なる。 1.墓の…