気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

2014-01-01から1年間の記事一覧

「盆栽」の源流には「盆山」とか「盆石」という(とても素敵な)ものがあったそうだ。

日経新聞の読書欄で『盆栽の誕生』という本が紹介されていた。評で使われていた「盆山」という言葉を聞いたことがない。 鉢植えで樹木を育てる「鉢木」、石に樹木を根付かせる「盆山」。鎌倉時代に発祥した2つの園芸文化が、江戸時代に「盆栽」として流行す…

ウスターソースは「普通」のソース。でも何と比べて「普通」なのだろう?

『三省堂国語辞典』の第四版で「ウスターソース」を見た。見出しは「ウ(ー)スターソース」になっている(「ウスターソース」はそちらへの空項目)。 ウ(ー)スターソース【名】〔← Worcestershire sause〕いちばんふつうの、黒っぽいソース。 これで全部…

「生食」の対義語は「火食」。そんなことも知らず、その読み方もわからなかった。

「生食」は「せいしょく」と読むのだそうだ。 恥ずかしながら「なましょく」だと思ってた。対義語は「かしょく」なんだそうだ via 新明解 #辞書 #国語辞典 pic.twitter.com/PTT4XJg3HI— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 5月 15 「なましょく」ではないと…

きっと世の中にそのファンが多いはずの「ネジ」。

ゴールデンウィーク開始の日ということで、頭は先に休憩モードになったのか。「ネジ」ってなんでネジというんだっけ、などと馬鹿なことを考えた。 ねじ【螺子・捻子・捩子・螺旋】 ネヂ (ネヅ(上二)の連用形から) (1) 物をしめつけるための螺旋(らせん)状の…

「国賓」とはどういう客か

「国賓」を辞書で引くならば、どういう場合に、どういう待遇で招くことなのかを知りたいケースがほとんどなのじゃないか。『広辞苑』がうまくまとめてくれている。 こく‐ひん【国賓】 国家元首が接待する海外からの賓客。主に外国の国家元首や首相が来日する…

最近見なくなった腕カバーは「腕貫き」と言うそうだ

『BT'63』(池井戸潤)という本を読んでいると、次のようなフレーズがあった。 小銭をじゃらじゃら言わせるがさつな音に混じり、腕抜きをした銀行員たちが忙しそうに立ち働いていた。 なるほど。サザンオールスターズのおかげで80年代にリバイバルブームにな…

国語辞典に学ぶ因数分解公式

中学校で学んだ代数の中では、因数分解が一番好きだ。シンプルで、役に立たなさそうな中に創造性がほのみえて興奮する。その次は無駄に複雑な文字式の乗除が好きだけれど、でも因数分解には遠く及ばない。 因数分解を『三省堂国語辞典』でみる。 いんすうぶ…

色は形になく、そして形は色以外である。

国語辞典をみていると、つい笑ってしまうことがある。「大変だな」とか「頑張ってるんだな」と感じてしまうことがあるからだ。たとえば「色」を三省堂国語辞典で引く。 いろ【色】(名)(1)ものの表面から目に感じる、形以外のもの。(以下略) 目で見てわか…

中学(小学)で習う「本初子午線」。でも「本初」を知らない人は多いみたい

グリニッジ天文台が始まりで、日本の明石は135度。135÷15=9だからロンドンと日本の時差は9時間。そんなことを小学生でも応えてくれる。ロンドンのあたりに引かれる経線を「本初子午線」ということもよく知っている。 グリニッジ天文台が選んだ 絶景天体写真…

「つけ麺」が辞書に載るようになったのはいつ頃からだろう?

「つけ麺」が辞書に載っているとは思わなかった。しかしそれは単なる偏見のようで、多くの辞書に載っている。 そんなわけで黒つけ麺、味玉トッピング #食べ物 pic.twitter.com/XCLKcpaGgT— maeda hiroaki (@torisan3500) April 13, 2014 上の写真はつけ麺。…

広辞苑に「さよなら」はない。

今の『広辞苑』に「さよなら」はない。 さよなら〘感〙「さようなら」に同じ。 「なんだそういう話か」と思われたかもしれないけれど、実は多くの辞書に「さよなら」はある。『新明解』第七版を見てみる。

(今更ながら)「疎開」はそもそもどういう意味だ?

「学童疎開」なんて言葉は一般的だし、「強制疎開」で家を失ったなんて話を本で読むこともある。だけど「疎」に「開」く「疎開」ってもともとどういう意味なんだ? 『広辞苑』第六版にのる最初の定義は次のようなものだ。 そ‐かい【疏開・疎開】(1) とどこお…

「基本」を考えてみた。

大事な「基本」が柵に囲まれて、しっかり埋められていた。 基本。 pic.twitter.com/nK1AhshtLT— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 4月 5 素敵だな。良い機会だから「基本」について考えてみた。『新明解』もまた、「基本」について深く考えているようだ。

「くろこ」は広辞苑に載っていない。(追記:「クロコ」は「クロコダイル」の略でもある)

「黒衣」の話だ。この言葉の意味を見ようと、「くろこ」で広辞苑を引くと載っていない。『三省堂国語辞典』なら載っているのだが、実は『新明解』や『岩波国語辞典』を見ても載っていない。 広辞苑では「くろこ」を立項していない。紙辞書なら「くろご」との…

「鯖読み」に見る性善説と性悪説

『「広辞苑」は信頼できるか』という本を読んでいる。タイトルからうけるイメージほど好戦的なものではなく、わりとよくある内容分析や比較を行っている本だ。その中で「鯖読み」という言葉が取り上げられていた。 『広辞苑』は信頼できるか―国語辞典100項目…

少子高齢化社会に十姉妹(ジュウシマツ)を思う。

先日もとりあげたジュウシマツ。もう少しみてみる。 三省堂国語辞典の「微妙な区別」がよくわからないが… #辞書 #国語辞典 #動物 / “三省堂国語辞典によると、ジュウシマツは「カゴに飼う」。そして文鳥は「家に飼う」。両者の違いはどの辺にあるのだろう? …

「雑歌」(ぞうか)とは「ぞうのうた」のこと。

録画しておいた「100分で名著」を見ていた。好みによるんだろうけれど、わりと好きな番組。今回のテーマは「万葉集」。 『万葉集』 2014年4月 (100分 de 名著) 作者: 佐佐木幸綱 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2014/03/25 メディア: ムック この商品を含…

「となり」と「さきどなり」とそして「てまえどなり」

見坊豪紀の『ことばの海をゆく』に「さきどなり」という言葉があった。三省堂交互辞典で見るとこんな具合。 小説のタイトルのような語釈 「となりの もう一つ先の となり」 via 三省堂国語辞典 #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/rVN3iV8FrY— maeda hiroaki (…

「花も実もある」が兼備するの意味ならば、「花がある」は「しかし実はない」の意味なんだろうか。

「花も実もある」という表現を誤解していた。 そうか、兼ね備えていることを言うのか。ぼくは例示であり、花咲くこともあれば実がみのることもあるじゃないかという意味だと思っていた > 「花も実も有る」 ― 外観も美しく、内容も充実していること。名実兼…

「あなうさぎ」からクレームを受けたらしい『広辞苑』第三版

『広辞苑』の第三版を手に入れた。はじめての「机上版」だ。1983年の発行。JRがまだ国鉄だった時代だ。これまた「ちょうどよい古さ」がいろいろ楽しめそうな辞書だ。 総革装 広辞苑 第六版 (机上版) 作者: 新村出 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2009/01…

三省堂国語辞典によると、ジュウシマツは「カゴに飼う」。そして文鳥は「家に飼う」。両者の違いはどの辺にあるのだろう?

別のブログにも書いたが、『さえずり言語起源論』という本を読んだ。主にとりあげられているのは「ジュウシマツ」だ。 さえずり言語起源論――新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波科学ライブラリー) 作者: 岡ノ谷一夫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2010…

「幕開け」は間違っているか? 「間違いじゃないのだ」と主張していた三省堂国語辞典のトーンダウン?

見坊豪紀の『ことばの海をゆく』を読んでいる。 ことばの海をゆく (朝日選書) 作者: 見坊豪紀 出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局 発売日: 1996/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 少々古い(1976年)の本だけど、この「少々」の古さが一層面…

まだ「フォーク並び」という言葉をききますか?

流行り始めた頃、ちょっと耳にしたように思う。でも最近聞かないな。国語辞典に載っているとは全く思っていなかった。 久しぶりに「フォーク並び」という言葉をきいた。まだ現役なんだな。広辞苑や三省堂国語辞典にも掲載されている。 via 三省堂国語辞典 #…

「シッター」という日本語があることをいまさら知った(シャレに非ず)

シッターという日本語があるのは知らなかった。英語では「sitter」という。しかし、「世話する人」の意味で日本語になっているのは「ベビーシッター」のみかと思っていた。 スペースの都合で強引に略しているのかと思えば、国語辞典にも立項されていた。下の…

たけのこの皮は「うろこ状」か、それとも「うろこの形」か。

『三省堂国語辞典』で「たけのこ」を見た。 広辞苑では「鱗片状」。新明解では「うろこ状」。「うろこの形」と、「うろこ状」では少し違う。わかりやすくという配慮だろうが、やや行き過ぎに感じる。 #辞書 #国語辞典 via 三省堂国語辞典 pic.twitter.com/Ap…

ごめんね、イモムシ(毛があればケムシでなければイモムシ)。

ずいぶんとイモムシのことを蔑ろにしてきたようだ。「イモムシとはいったいなんだ」と考えずに人生を送ってきた気がする。反省のきっかけとなったのは『三省堂国語辞典』だ。 「いもむし」とは「毛虫」の形ながら「毛」の目立たないもの via 三省堂国語辞典 …

死語になりつつあるらしき「ロンパリ」(放送事故ビデオあり)

「ロンパリ」。良い言葉じゃないように思えるので、消えてしまって良いとは思う。『三省堂国語辞典』の第六版・第七版では消えてしまっているようだが、第四版には立項されていた。 ロンパリ【名】(← ロンドン・パリ[=一方の目でロンドンを、他方の目でパ…

名詞としての「if」。というか「接続詞」という言葉も「名詞」だな

『三省堂国語辞典』に「イフ」があるのを見つけた。 「イフ」。こんなもんを立項するのかと笑いそうになったけど、たしかに必要かもしれないな。他の辞書にはなかなか見当たらない。ちなみに名詞だ via 三省堂国語辞典 #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/i5hm…

ぼくの知っている「一穴」という言葉は『新明解国語辞典』(と、『新和英大辞典』)にしか載っていない(追記あり)

「一穴」という言葉を何度か聞いたことがある。『三省堂国語辞典』第四版を眺めるうち、ひさしぶりに出会った。 いっけつ 【一穴】(名)一つの便器で用をたす状態。 これはぜんぜんわからないな。第七版では少々書き足されているけれど、それでも「よくわか…

「一宿一飯の恩義」は、ありがたいのか。あるいは三省堂国語辞典の深謀遠慮。

「一宿一飯の恩義」という言葉がある。まあありがたいのだろうなと思っていたが、辞書を見てむしろ悩んだりもする。 「一宿一飯」。はたして「ありがたい」という意味なのか、それほどでもないのかわかりにくいな via 三省堂国語辞典 #国語辞典 #辞書 pic.tw…